メルセデスAMG 35シリーズ・6番目のモデル「メルセデスAMG GLB 35 4MATIC」が登場

■サーキット走行にも対応する「AMG トラックペース」を搭載

3列7人乗りSUVのメルセデス・ベンツGLBに、2.0L直列4気筒ガソリンターボを積む「メルセデスAMG GLB 35 4MATIC(GLB 35)」が加わりました。2021年1月12日から予約注文の受付を開始していて、デリバリーが開始されるのは2021年1月末頃の予定となっています。

メルセデスAMG GLB 35 4MATIC
2.0Lガソリンターボを積む「メルセデスAMG GLB 35 4MATIC」が新登場

「メルセデスAMG 35シリーズ」6番目のモデルとなる「GLB 35」は、FFアーキテクチャをベースとしながら高いトラクションを確保する4WDが組み合わされ、高い俊敏性(アジリティ)のためのシャーシの補強やサスペンションのセッティングなどにより、高次元のドライビングパフォーマンスを実現しながら、快適性も損なうことがないように開発したとしています。

最高出力306PS(225kW)・最大出力400Nmを発生する2.0Lの直列4気筒ターボエンジン「M260」は、低回転域での力強さと自然なレスポンスを兼ね備え、中・高回転域での伸びやかな加速感を両立させるため、ツインスクロールターボチャージャーや可変バルブリフトシステム「CAMTRONICカムトロニック」を採用しています。

組み合わされるトランスミッションは、AMGスピードシフト DCTの8速デュアルクラッチ。速度域を問わず自然な加速性能を引き出せるそうで、素早いシフトとシフトアップ時の最適なギアのつながりが得られるようにセッティングされたそう。

ほかにも、AMGエグゾーストシステムには自動制御のフラップが備わり、選択したドライブモードに応じて、バランスの取れた音色からモータースポーツ譲りのエグゾーストサウンドまで切り替えを行うことができるとしています。

4WDシステムは、パフォーマンス志向のトルク可変配分四輪駆動の「AMG 4MATIC」で、最大限のトラクションと大きな走りの楽しさ同時に得られるそう。トルクの前後配分は、状況に応じて連続可変制御され、前後「100:0」から「50:50」までの範囲で可変。

トルクの前後可変配分を行うのは、リヤアクスルに内蔵される多板クラッチ。電気機械制御式であり、トルク配分比に対する影響要因として、車速、横方向、前後方向加速度、舵角に加えて、各ホイール間の回転速度差、選択されているギヤ、アクセルポジションなどです。トルク配分可変範囲全体にわたってクラッチのレスポンスが速く、しかも動作が速度に依存しないことなどから、よりシャープなドライビングダイナミクスが得られるそうです。

また、ESPがオンの場合は4MATICシステムは「コンフォート」モードに固定されていて、ボタンを押して「ESP SPORT Handling」または「ESP OFF」を選択すると、すぐに4MATICが「スポーツ」モードに切り替わります。これにより俊敏性が高まります。

さらに、走行モードは5つ用意され、センターコンソールの「AMG DYNAMIC SELECT」で様々な状況に最適な制御を選択することができます。各ドライブモードでは、エンジンやトランスミッション、サスペンション、エグゾースト、ステアリングの制御が変更可能なほか、各モードに自動選択される「ベーシック」「アドバンスト」の2つの「AMG DYNAMICS」のモードがあり、ESPの制御を変化させることができます。

メルセデスAMG GLB 35 4MATIC
「メルセデスAMG GLB 35 4MATIC」のリヤビュー

「GLB 35」には「AMG トラックペース」も備わります。これは、サーキット走行時に80件以上の車両データ(車速、加速度など)を常時記録することが可能な機能。ラップタイムと区間タイムの表示や、それぞれの基準タイムからの差を表示する機能も用意されます。特定の項目は、緑または赤で表示されるため、最高タイムより速いか遅いかがひと目で分かります。サーキットで何周か走り込んだ後は、そのデータをもとに運転スキルを分析し、必要に応じて改善に役立てることができるそう。

さらに、加減速の値(0~100km/h、1/4マイル、100~0km/hなど)の測定と保存も可能。また、車両の位置を可能なかぎり正確に判断する新開発アルゴリズムの搭載により、サーキットから離れた状況、コースが短縮された場合も認識できます。

これには、GPSデータに加え、各種車載センサー(加速度、ジャイロスコープ、舵角、車輪速)が使用され、各種データは、ワイドスクリーンディスプレイ、コックピットディスプレイ、ヘッドアップディスプレイに表示することができます。GLBでサーキット走行する人は少ないかもしれませんが、AMGモデルにふさわしい機能も用意されているわけです。

また、エクステリアはAMGラインをベースにメルセデスAMGモデルならではの、スポーティな専用デザインも与えられています。

フロントには、下側の幅が広く、縦にルーバーが入ったAMG専用ラジエターグリルが採用されています。同フロントグリルは、モータースポーツに由来し、クロームメッキが施された垂直フィンの基本デザインは、1952年メキシコで開催された伝説の公道レース、カレラ・パナメリカーナ・メヒコで優勝したレーシングカー「メルセデス・ベンツ300 SL」で初めて採用された由緒あるもの。

フロントエプロンはジェットウイングデザインになります。リヤは、専用デザインのクローム仕上げで円形のデュアルエグゾーストエンドにより、スポーティでハイパフォーマンスを体現するダイナミックなデザインとなっています。

レーシーなインテリアでは、コックピットディスプレイが「スーパースポーツ」を含む3つのAMG専用の表示スタイルから選択できるのが特徴。オプションの「AMGパフォーマンスパッケージ」を選択することによりフラットボトム型となるナッパレザー/DINAMICAの「AMGパフォーマンスステアリング」が装着されます。

「メルセデスAMG GLB 35 4MATIC」の価格は737万円です。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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