ビジネスバイクやスクーターとは?仕事や通勤・通学に使うバイク。トライクという変わり種も【バイク用語辞典:バイクの誕生と種類編】

■ビジネスバイクは燃費や信頼性、スクーターは扱いやすさとデザインを重視した設計

●オンロード/オフロードと異なり、働くためのバイクも多数あり

オンロードバイクとオフロードバイクは、楽しむためのスポーツバイクですが、その他にもビジネスバイクやコミューター(通勤・通学)として使うスクーターなど、様々なバイクがあります。

オンロードバイクとオフロードバイク以外のバイクについて、解説していきます。

●オンロードとオフロードタイプ以外のバイク

ロード/オフロード以外
ロード/オフロード以外

バイクは、オンロードとオフロードタイプ以外に、いろいろな配達に使用されるビジネスバイクや通勤通学のコミューターとして使われるスクーター、特殊バイクとして白バイや自衛隊の偵察車両などがあります。

また、一部の宅配などで使われる三輪車のトライクがあります。トライクでも排気量が50cc以下である条件を満たせば、原付と同じ扱いです。

以下にオンロードとオフロードタイプ以外の5種類について、説明します。

●ビジネスバイク

業務用として使用するビジネスバイクの代表は、新聞配達や郵便配達、ピザ配達などで使うバイクです。毎日走行するので利便性や耐久性、トラブルが少なくメンテナンス費用がかからないこと、燃費が良く維持費が安いことが重視されます。

ビジネスバイクは通常排気量50ccの原付ですが、荷物搭載時にも十分なパワーが発揮できるエンジンと、搭載荷重に耐えうる強度を持つフレームが設定されています。古くは、ホンダのスーパーカブが有名ですが、最近はカブ以外にも様々なモデルが登場しています。

●スクーター

スクーターは、運転者の足元にあるステップに足をのせて運転するバイクの総称です。男女を問わず広く通勤通学のコミューターなど日常の足として使われ、扱いやすさとデザイン性が重視されます。一般的にはオートマチックトランスミッションが搭載され、エンジンや補機類はカウルによって覆われています。

以前は、原付免許で運転できる50ccクラスや保険が安い80ccクラスが主流でしたが、最近はAT車の限定免許の新設もあり、高速道路走行の制約のない250~400ccの中型車クラスが主流となっています。

さらに400cc以上の大型スクーターも、フルカバーボディの豪華なスクーターとして、ひとつのジャンルを確立しています。

●自衛隊用車両

専用の車体ガードやアンダーガード、各種備品などを搭載するためのキャリヤなどが装備されています。また、専用のランプ類や消音機能を強化したマフラーなども装備されています。

●警察用車両

警察用車両は、業務に応じて様々なタイプがあり、主に交通取り締まりに使用される白バイは、速度計測装置や赤色回転灯、スピーカー、無線機などが装備されています。エンジンの出力特性やギア比、トラクションコントロールなどの車両コントロールにベース車両からの変更はなく、変更点はハンドル位置が異なるぐらいです。

●トライク

最近一部の宅配で使用されている三輪は、条件によってはバイクであり、また自動車にもなります。

排気量が50cc以下の場合、出力や車体寸法、形状などが道路運送車両法や道路交通法で定められた規定に合致していれば、通常の原付と同じ扱いです。

50ccを超える場合、道路運送車両法上では250cc以下は側車付軽二輪、250ccを超えるものは二輪の小型自動車になります。また道路交通法上では、車体構造によって普通自動車または特定二輪車となります。


ビジネスバイクは、多様な用途の中で地味ながら独自の進化を続け、スクーターは免許制度の改定などの後押しもあり、さまざまなタイプの新しいジャンルのスクーターが登場しました。

楽しむための機能とは異なる実用的な機能に特化したバイクも、ユーザーの多様化に応える形で進化を続けています。

(Mr.ソラン)

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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