清水和夫×ヤリスクロス! 高級感もある攻められるコンパクトSUVはシャシー性能とサスペンションのポテンシャル高し【StartYourEnginesX】

■車室も広く小さな高級SUVとも言えるヤリスクロス

●BセグTNGAはコイツを見据えた開発をしていた!

2020年3月、新型コロナウイルス蔓延により開催中止になってしまったジュネーブ・ショーにて発表予定だったヤリスクロスがいよいよ登場! そのプロトタイプに国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが速攻試乗してきました。

ヤリスクロス試乗
テスターは国際モータージャーナリスト・清水和夫さん。ズバッ!と言ってください!!

ハイブリッド仕様のFFモデルと4WDモデル(E-Four)、そしてエンジン仕様のFFモデルを弱ウェットの袖ケ浦フォレストレースウェイでテストした清水さんの評価は?

清水和夫さん
ヤリスクロス速攻試乗は、頑固一徹親分、清水和夫さんです。

【ヤリスクロス ハイブリッドG FF】
BMW X2やアウディQ2、シトロエンC3あたりがライバルか

まずはヤリスクロスのハイブリッド・FF仕様に試乗した清水さん。

「車室も広いBセグメントのTNGA、トヨタはこのヤリスクロスまでを見据えてプラットフォームを開発していたんだね。

ヤリスクロスのコクピット
インテリアは高級感あり。

キャビンのユーティリティは広く、プレミアムなインテリアはヤリスの雰囲気ではなく小さな高級SUVに乗っている感じ。

ヤリスに比べて重量が重くて車高も高いけど、ハンドリングは悪くなく、むしろ乗り心地が凄くいいね。しなやかでロールもあるけど、ロール速度が速くないので怖くない」

テストステージがサーキットということで、弱ウェットではあれフラット路面のため、かなりのハイスピードです。

「100km/hでターンインしてもアンダーが出ないで安定しているね。こりゃヨーロッパでも売れそう。BMWのX2やアウディQ2、シトロエンC3あたりもライバルかもね」

途中、なぜか無言になる清水さん。ン…どーした?

「黙るくらい楽しい、マジで走っちゃう。狙ったラインをトレースできるしね」

ヤリスクロス外観
ボディスタイルもスポーティ感あり。

【ヤリスクロス ガソリンG FF】
1.5L高速燃焼エンジンはブン回して気持ちイイ! オレはコレ押し

次はガソリンエンジン仕様のFF、1速発進用のメカニカルギアのあるCVTに試乗です。

「ヤリスに比べて重量が約100kgくらい重いから、発進はけっこうローギヤードにしないとダメってトヨタの方に聞きました」

ヤリスでもガソリン仕様押しの清水さんでしたが、このヤリスクロスはどうでしょう?

「相変わらずこのエンジンはブン回すと気持ちイイねぇ。ハイブリッドよりハンドリングが良いし。クルマ好きはコッチだな、オレはコッチ!」

ヤリスクロス試乗
コーナーを攻めてもアンダーは無く、狙った通りにトレースできる。

ヤリス・ガソリンのFFを全日本ラリー用に購入済みの清水さんです。

「フロントが軽いせいか、ステアリングの応答性が良いね。アンダーも出ないで狙ったところに入って行ける。このままラリーに行けそう。車高も高いし」

しかし…

「欲を言えばもっとパワーが欲しい感じ、それくらいシャシーに余裕があるんだよ。これは売れるな、だってオレが欲しいくらいだから」

ヤリスクロスのガソリンエンジン車
オレはコレ、ガソリン・FF欲しいゾ! でもパワーはもっと欲しい! ターボ出ないの?

【ヤリスクロス ハイブリッドZ E-Four】
雪道行くならコレ! しかし最近のトヨタは、野球で言うところの『7割打率のバッター』だな!!

ハイブリッドにはリヤがモーター4駆の4輪駆動『E-Four』があります。

ヤリスクロス
ハイブリッドE-Fourのエンブレム。

「3種類のパワートレーンは、最近のトヨタ車…RAV4、ハリアー、ヤリス、カローラと同じラインアップ。で、このハイブリッド+E-Fourがライン中、一番値段の高いヤリスクロスになりますね…値段は教えてくれないけど」

また、一番重量が重いタイプでもあるのが、このハイブリッドE-Fourです。

ハイブリッドE-Four
ハイブリッドE-Fourのコントロール部。

「最近のトヨタはステアリングが凄く良くなってる。また、エンジン車だとグッとアクセル踏み込むとエンジン回転がブワァ~ンと上がるんだけど、ハイブリッドだとちょっと後ろ髪がひかれるような感じ? エンジンの回転数はガマン…というかモーターと協調しながらトルクで行くって感じ」

ヤリスクロスの中で価格的にも一番お高いのがコレですね、きっと。

「そう、エンジン車が一番安くてハイブリッドE-Fourが一番贅沢。スキーに行く方には絶対にこのハイブリッドE-Fourがいいね。最近のトヨタは野球で言うと7割打率のバッターみたいな感じ。出すクルマ全て売れる感じがするよ」

清水和夫さん
マスクを腕にかけ(!)、攻めるのが楽しいヤリスクロス試乗中の清水和夫さん。

ということで、全仕様の更なるインプレッションは動画にて!

(テスター:清水和夫/動画:StartYourEnginesX/文:永光 やすの)

【SPECIFICATIONS】

トヨタ ヤリスクロス プロトタイプ
全長×全幅×全高:4180×1765×1560mm(アンテナを除く)
ホイールベース:2560mm
パワーユニット:ガソリン仕様=1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジン/ハイブリッド仕様=リダクション機構付THSⅡ(TOYOTA Hybrid SystemⅡ)1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジン
トランスミッション:ガソリン仕様=Direct Shift-CVT/ハイブリッド仕様=電気式無段変速機
駆動方式:ガソリン仕様=FF・4WD/ハイブリッド仕様=FF・E-Four(電気式4輪駆動方式)

【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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