旧車再生の基本・エンジンオイル交換と各部の調整【49年前のCB125は直るのか? 素人再生記】

■いよいよエンジンを再始動する!

●エンジンオイルの交換

リヤタイヤとチェーンを交換して、ようやく車体が自立するようになった我がCB125。いよいよメンテナンスも最終段階です。

まずエンジンオイルの交換と同時に、エンジンオイルフィルターを洗浄します。オイルフィルターを洗浄と聞いて?と思われるかもしれません。

通常エンジンオイルフィルターはカートリッジ式であることがほとんどですから、フィルターを交換するのが一般的です。ところが古いバイクの一部にはオイルフィルターが内蔵式で、交換ではなく内部を洗浄する構造のものがあるのです。CB125もオイルフィルターは内蔵式で、内部を分解して洗浄する構造です。

早速エンジンからオイルを抜きましょう。オイルを抜くにはまず、給油口からキャップを外します。ドレンプラグを抜く前にキャップを外しておくと、内部の圧力が抜けてオイルを抜く時間が短縮できます。

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給油口キャップを外す。

次にドレンプラグを抜きます。通常エンジン下のオイルパンにボルトがあります。CB125では前側にドレンボルトを痛めないための突起があります。そこがドレンボルトです。

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ドレンボルトを外す。

エンジンオイルを抜いている間にオイルフィルターを外しましょう。

まずエンジン右側のフィルターカバーを外します。プラスドライバーで3本のボルトを緩めるだけですが、なかなか強く締められてます。こうした場合、腰を入れてドライバーを押しつけるようにして緩めると、ボルトの頭をナメずに外すことができます。ドライバーを押す力が8、回す力が2くらいのつもりで作業しましょう。

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フィルターカバーを外す。

カバーを外すと大きなOリングが2つあります。2つのOリングでオイル漏れを防いでいますので、絶対に傷つけないようにしましょう。

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大きなOリングに注意してカバーを外す。

カバーの内側に丸い部品がありますので、手で抜き取ります。これがオイルフィルターなのです。内部にオイルが入ってフィルターが回転することでスラッジをフィルター内部に留め、キレイなオイルだけ排出する構造です。

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オイルフィルターを取り出す。

4本のボルトを外すとオイルフィルターを分離できます。ここでもボルトは強く締められていますので、ドライバーを回す力より押しつける力を強くして作業します。

ただ、ボルトを外してもフィルターがなかなか分離しません。固着気味でしたので木材などを敷いた上にフィルターを載せ、上からプラスチックハンマーなど傷つけない素材で叩きます。するとフィルターが分離できました。

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オイルフィルターを分離する。

内部を確認すると案の定オイルスラッジがこびりついていました。フィルターを洗浄するには洗油に浸けて硬めのブラシで除去するといいでしょう。

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スラッジを落とす。

ただ、今回の失敗はフィルターを分離するときにガスケットを破ってしまったことです。長年締められていたため、ガスケットがうまく剥がれず切れてしまったのです。そこでガスケット材に型を取って切り取ることにします。

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ガスケットを切り出す。

ガスケットが切れたらフィルターにフタを戻します。どちらも汚れとガスケットの残りが付着していますので、できるだけキレイにしてあげます。特にガスケットが残っていると、そこだけ浮いてオイルが分散してしまいますので、平らになるまで清掃します。

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オイルフィルターを洗浄する。

切り出したガスケットを挟んでフィルターを閉じます。フィルター中央の突起には周り留めのついたワッシャーがありますので、紛失には要注意です。

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オイルフィルターを組み立てる。

あとは元通りの作業でカバーを閉じ、新しいエンジンオイルを入れたら作業はオイル交換+フィルター洗浄は終了です。

●エンジンを再始動する

いよいよエンジンを再始動します。その前に我がCB125はフロントフォークを分解したとき、ヘッドライトやハンドルを外してハーネスも分断してます。そこでまず、ヘッドライトケースを車体に戻して配線を元通りに結びましょう。

バイクの整備でヘッドライトケース内の配線を苦手とする人は多いと思います。狭い中で配線がトグロを巻くので、うまくライトが戻らないことがあるためです。ここは根気良く作業しましょう。配線が純正のままなら、同じ色の線同士をつなげば大丈夫です。

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ヘッドライトケース内の配線をつなぐ。

さぁ、緊張の瞬間です。CB125にはセルスターターが装備されていますので、配線のチェックと同時にセルでエンジンを回してみます。何度かセルを回していると、エンジンが再始動しました!

これほどうれしいことはありません。再始動にはチョークを使いましたが、チョークを戻すと何とスロットルが全開になったような状態に…。なぜかと言えばスロットルワイヤーの取り回しに無理があったようです。

タンクの下でワイヤーをうまく整え再始動すると、ようやくアイドリングしてくれました。

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エンジン再始動に成功!

ただ、このままではアイドリングが安定せず回転数も高いままです。そこでキャブレター側で調整します。まずマイナスドライバーを指しているスロットルストップスクリューを回します。時計回りに締め込むとアイドリングが高くなり、反時計回りへ緩めるとアイドリングが低くなります。

CB125にはキャブが2つありますので、何回回したか覚えておいて左右とも同じくらいにします。エンジンが暖まったら反時計回りに緩めてアイドリングしなくなる手前で止めます。

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スロットルスロップスクリューを回す。

次にエアスクリューで混合気の濃さを調整します。マイナスドライバーを指している右側のスクリューがそれで、こちらは時計回りに締めると混合気が濃くなり反時計回りに緩めると薄くなります。締め込んだ状態から1回転から2回転緩める間で調整するのが基本です。

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エアスクリューを回す。

こちらも左右のキャブで揃えるようにすると、1,300rpmほどでアイドリングするようになりました。

●各部の調整

スロットルワイヤーの取り回しで苦労しましたが、キャブ側でアイドリングを調整したらスロットルワイヤー側でも調整します。金属部の根本にナットがありますので、ここを緩めると長いナットも動かすことができるようになります。ここでアイドリングを再調整するのです。

また、ハンドル側ではレバーに噛んでいるフロントブレーキワイヤーのタイコ部にグリスを塗り、レバーを握って感触を確かめながらワイヤーを張ります。

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スロットルワイヤーを調整する。

左レバーのクラッチワイヤーにもグリスを塗ります。同様にレバーとワイヤーのタイコに塗ります。また、エンジンがかかったらクラッチレバーを引いてシフトチェンジできるか様子をみます。ここでクラッチの切れ具合を調整するのです。ニュートラルが出しやすい位置で合わせても大丈夫です。

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クラッチレバーの注油と調整。

先ほどレバー側で調整したフロントブレーキですが、同時にブレーキドラム側でも調整します。左のナットを緩めて右のナットでワイヤーを締め込む要領です。ブレーキングには好みもありますので、安全に止まれて具合よく効いてくれる場所を探しましょう。ただ、ブレーキには命がかかってますので、最終的にプロに見てもらうといいでしょう。

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フロントブレーキの調整。

次にリヤブレーキを調整します。リヤブレーキの調整はリンクを引いて内部に潜りこんでいるナットを締め込みます。センタースタンドをかけていれば後輪は浮いていますから、タイヤを転がしリヤブレーキペダルを踏んで効き具合を確認することができます。フロント同様で、最終的にプロの判断を仰ぐといいでしょう。

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リヤブレーキの調整。

●灯火類の確認

最後に灯火類を確認しましょう。ヘッドライト、テールランプ、ウインカー、ホーンのいずれも正常に働けばナンバーを取得して良さそうです。

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灯火類の確認。

ところが我がCB125は、なぜかウインカーが点灯しません。ここまで来て肩を落としますが、再点検です。

ヘッドライトを開けて内部のハーネスを再確認すると同時に、シートを上げてウインカーリレーの状態を確認します。配線は問題なさそうなので、どうやらウインカーリレーが怪しそうです。6V用で2本配線のウインカーリレーは汎用が手に入りますので、純正品にこだわらなくても大丈夫です。こ

こを直せばCB125は復活したと言えます。最後にナンバーを取って路上へ繰り出して締め括りたいと思います。

(増田 満)

この記事の著者

増田満 近影

増田満

複数の自動車雑誌編集部を転々とした末、ノスタルジックヒーロー編集部で落ち着き旧車の世界にどっぷり浸かる。青春時代を過ごした1980年代への郷愁から80年代車専門誌も立ち上げ、ノスヒロは編集長まで務めたものの会社に馴染めず独立。
国産旧型車や古いバイクなどの情報を、雑誌やインターネットを通じて発信している。仕事だけでなく趣味でも古い車とバイクに触れる毎日で、車庫に籠り部品を磨いたり組み直していることに至福を感じている。
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