ついに発売される「RAV4 PHV」。プラットフォームが普通のRAV4と違う理由があった

●ひとまわり強化された「ハイランダー」用のプラットフォームを採用

トヨタ車としてはスープラの次に加速が速い。プラグインハイブリッドをエコだけじゃなくて運転する楽しみにも活用する。

そんな強烈なキャラクターを纏って発売される、RAV4のプラグインハイブリッドモデル「RAV4 PHV」。

日本向けのトヨタ車としてはプリウスに続くプラグインハイブリッド車ですが、エコだけを焦点としたプリウスPHVとは異なる、思い切ったキャラクターが注目のモデルです。

加速が爽快なRAV4 PHV

パワートレインは、エンジン自体は普通のRAV4ハイブリッドと基本的に共通(ただし最高出力と最大トルクの数値やその発生回転は若干違う)。

しかしフロントモーターはひとまわり大型化された「5NM」という型式の新開発品で、普通のRAV4ハイブリッドのフロントモーターが88kW(120ps)なのに対し、RAV4 PHVは、フロント134kW(177ps)と驚きの5割増し!

リヤモーターはハイブリッドの4WD車と同じ40kW(54ps)となっています。強化されたモーターの出力を知れば、この速さも素直に納得です。

バッテリーは床下に搭載

ちなみに走行用バッテリーは6.5kWhに対して、18.1kWhと約3倍の大容量ですね。もちろんこちらも新開発ですよ。

興味深いのがプラットフォーム。プラットフォーム自体は「GA-K」と呼ばれるもので、「カムリ」や「レクサスES」にも使われるトヨタのFFモデル用としては大きなタイプです。

ところが厳密にいえばプラグインハイブリッド車のプラットフォームは普通のRAV4やRAV4ハイブリッドとは異なり、北米で販売している「ハイランダー」と同じもの。

普通のRAV4に対して、いっそう強化された設計なのでした。一部の鉄板が厚くなり、補強も追加されているのです。

RAV4 PHVはエコロジーなプラグインハイブリッドながら、豪快な加速も自慢

その理由は、大容量バッテリー搭載による重量増への対応。PHVはハイブリッドに対して約300kg重くなっているので、それにあわせて強化型のプラットフォームを使っているのでした。

サーキット走行でも気持ちよく走れるRAV4 PHV

それにしても、そんなRAV4 PHVをサーキットで走らせてみたら、あまりにも楽しく走れるのだから驚きました。重くなったことで機敏さは控えめになっていますが、低重心によるハンドリングはなかなかの安定感でしたよ。

(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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