新型ハリアーのライバルは、歴代モデルで競い合った「宿敵」のモデル!?

●新型ハリアーのライバルは? 日本SUV界決戦の行方を占う

新型の姿が明らかになったトヨタ「ハリアー」。これまで、3世代に渡って支持を集めてきた歴代ハリアー同様に4代目となる新型も前評判が高く、人気モデルとなるのは必至だ。

4代目ハリアーフロントビュー
シャープなヘッドライトと、左右をつなぐメッキ調ラインが、フロントフェイスを引き立てている。

しかしハリアーには「天敵」ともいえる意外なライバルがいる。それが日産エクストレイルだ。この2台はこれまで抜きつ抜かれつの販売合戦を繰り広げてきた。

エクストレイルは2021年にはモデルチェンジとの情報がある。そして、新型ハリアーとガチンコ勝負となると思われるのが、昨年新型がデビューし大ブレイクしたトヨタRAV4だ。

表1 過去6年間の販売台数比較

今回は、新型ハリアー発表を受けて3台の販売台数がどうなったのかを見ておこう。

新型RAV4
デビューから1年が経ったのに、いまだに6千台も売れ続けている大ヒットとなったRAV4。
エクストレイル
エクストレイルは大失速。モデルも古く、目新しさが足りていない。

■ハリアーの新型発表を受け、各車の販売はどうなったのか?

2020年1月〜4月の登録車台数の推移を下に示す。このように、RAV4の勢いはとどまるところを知らない。ハリアーとエクストレイルは最終スペックの特別仕様車や、お買い得仕様など、モデル末期に向けての販売交渉が進められている。

表2 ハリアーとRAV4、エクストレイルの1〜4月国内販売台数
新型ハリアーサイドビュー
RAV4以上にヒットモデルとなりそうな予感。

新型ハリアーの詳細が明らかになったのは4月13日。6月の発売までの期間は、買い控えをすることが予測されるため、ハリアーは一時的に登録台数が落ちてしまうのは、仕方ないところだろう。

しかしながら、エクストレイルはそれ以上に台数激減となっている。コロナ禍の影響はあるであろうが、それだけではないように思える。

少なくとも、6月時点で次期型エクストレイルのアナウンスや、デザインのチラ見せでもしておかないと、新型ハリアーとRAV4というトヨタの2枚看板SUVの前に、このまま浮上できずに撃沈されるだろう。

日産エクストレイルフロントビュー
この夏にローグが新型になる。次期型エクストレイルも近く発表か?

■まとめ

エクストレイルに期待できないとなると、ワイルドなSUVのRAV4と都会派SUVの新型ハリアー、この2トップで国内ミドルクラスSUVをけん引することとなるだろう。新型ハリアーとしては、いかにRAV4と差別化をして、顧客へ魅力をアピールするかが、最大のテーマとなりそうだ。

3世代にもわたって成功を続けてきたクルマは、そうはいない。この新型ハリアーがどれほどの成功を収めるのか期待が持てる一台であることは間違いない。

(文:自動車ジャーナリスト 吉川賢一 写真:TOYOTA、NISSAN)

この記事の著者

Kenichi.Yoshikawa 近影

Kenichi.Yoshikawa

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイラインやフーガ等のFR高級車の開発に従事。車の「本音と建前」を情報発信し、「自動車業界へ貢献していきたい」と考え、2016年に独立を決意。
現在は、車に関する「面白くて興味深い」記事作成や、「エンジニア視点での本音の車評価」の動画作成もこなしながら、モータージャーナリストへのキャリアを目指している。
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