BMWが最大55万円値下げ! エコカーの衝撃的お買い得な新グレードに落とし穴は? 装備は? 

●大幅値下げでも装備は落とされていない!

引きこもりゴールデンウィークですね。ボクも近所での散歩以外は特に外出することもなく、録り溜めてあったビデオを見たりとか、動画配信サービスで映画を見たりとか、あとは海でサーフィンすると自粛警察に怒られそうなのでネットサーフィンしたりとか過ごしています(よくよく考えたら海でサーフィンなんてしたことないけど)。

ところでネットサーフィンと言えば、クルマ好きとしては中古車検索をしまくって「これも欲しいなー」とか「あれもいいなー」なんていう妄想が止まらないわけで。で勢い余って「新車も買えるかも」なんて思いあがってメーカーやインポーターの公式サイトまで手を伸ばしちゃったりするわけですが、面白いものを発見しました。BMWはなんと5月2日から「BMWが環境対応車の価格を値下げ」というじゃないですか。

EVのi3と3シリーズのPHEV

なんでも、「5月2日販売分から新たに『Edition Joy+(エディション・ジョイプラス)』というグレードをラインアップし、値下げを実施する」とのこと(一部車種は先行して設定)。いっぽうで「今回『Edition Joy+』がラインアップされるモデルについては、その標準モデルにおいて一部、装備の見直しを実施し、希望小売価格を変更する」とのこと。つまり、値段を下げた新グレード『Edition Joy+』を用意して販売のメインと据え、新グレードが加わった従来モデルは一部装備を見直して値上げ、ということですね。

対象はディーゼルエンジンとプラグインハイブリッド、そしてEVの一部モデル。具体的にいえば、

118d Play Edition Joy+ (385万円/ベース車比-28万円/ディーゼル)
118d M Sport Edition Joy+ (423万円/ベース車比-28万円/ディーゼル)
320d xDriveセダンEdition Joy+ (573万円/従来比-16万円/ディーゼル)
320d xDriveセダンM Sport Edition Joy+ (625万円/従来比-16万円/ディーゼル)
330eセダンM Sport Edition Joy+ (617万円/従来比-50万円/プラグインハイブリッド)
320d xDriveツーリングEdition Joy+ (598万円/従来比-16万円/ディーゼル)
320d xDriveツーリングM Sport Edition Joy+ (650万円/従来比-16万円/ディーゼル)
530e iPerformanceセダンM Sport Edition Joy+ (822万円/従来比-50万円/プラグインハイブリッド)
745e Luxury Edition Joy+ (1171万円/従来比-50万円/プラグインハイブリッド)
745e M Sport Edition Joy+ (1296万円/従来比-50万円/プラグインハイブリッド)
745Le xDrive Excellence Edition Joy+ (1529万円/従来比-50万円/プラグインハイブリッド)
745Le xDrive M Sport Edition Joy+ (1529万円/従来比-50万円/プラグインハイブリッド)
X1 xDrive18d Edition Joy+ (471万円/従来比-18万円/ディーゼル)
X1 xDrive18d xLine Edition Joy+ (498万円/従来比-17万円/ディーゼル)
X1 xDrive18d M Sport Edition Joy+ (516万円/従来比-18万円/ディーゼル)
X2 xDrive18d M Sport X Edition Joy+ (527万円/従来比-17万円/ディーゼル)
X3 xDrive30e xLine Edition Joy+ (778万円/従来比-55万円/プラグインハイブリッド)
X3 xDrive30e M Sport Edition Joy+ (781万円/従来比-55万円/プラグインハイブリッド)
i3 Edition Joy+ (499万円/従来比-55万円/EV)
i3レンジ・エクステンダー装備車Edition Joy+ (548万円/従来比-55万円/レンジエクステンダー付EV)
※価格はいずれも消費税10%込み。

注目は、なんといってもプラグインハイブリッドとEV。
最小でも50万円、最大で55万円の”実質値下げ”ですからね。「これまでが高い設定だったのでは?」という疑問が頭をよぎるかもしれませんが、とりあえず忘れましょう。

BMWの電動化モデル

●ところで装備水準が下がっているのではないか?

50万円も値下がりしているのだから、なにか壮大な落とし穴があるにちがいない。たとえばカーナビが標準装備から外されてオプション扱いになっているとか、エアコンがつかないとか、タイヤが15インチとか……と思い、各車の装備表を穴が開くほどチェックしてみたのですが、特に廃止されている装備はナシ。なので落とし穴はなさそうです。安心して買っていいでしょう。
標準車に対して「サンプロテクション」と呼ぶ、いわゆるスモークガラスがないという一部報道もありますが、カタログ上は確認できず。

BMWのプラグインハイブリッドモデルはモデル名に「e」が付く

BMWジャパンの広報部によると
「従来のモデルを、装備はそのままモデル名を『Edition Joy+』として値下げしました」
「BMWグループ全体の販売は落ちていますが、電動化モデルの販売が好調です。この流れを日本でも加速させるために、この度、BMW/MINIのディーゼル、PHEV、EVモデルを値下げすることにしました」
とのことです。

5シリーズのPHEV「530e」

BMWの日本における2020年第一四半期の販売台数は、前年比約2割のマイナス。しかし、そんななかでもプラグインハイブリッドなどの電動化モデルは前年比プラス約15%と伸びているのだとか。
ちなみに世界レベルでみると、電動モデル(EV、レンジエクステンダーEV、プラグインハイブリッド)におけるBMWのシェアはトップのTESLA(約20%)、トヨタと提携したことも話題になった中国のBYD(約8%)に続いて3位(約7%)。プラグインハイブリッドモデルが健闘しての結果と言えそうです。

3シリーズのPHEVモデル

ところでプラグインハイブリッドカーとは、大きなバッテリーを搭載して外部充電が可能なハイブリッドカーのこと。近距離ならばエンジンを動かさずに蓄えた電気だけでEVのように走れるし、長距離は普通のハイブリッドカーと同じくガソリンを入れれば走行可能。かなり現実的なエコカーですよね。それが従来比50万円も安いなんて……いいんじゃないでしょうか?

(工藤貴宏)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
続きを見る
閉じる