フィアット500がフルモデルチェンジを発表! レベル2自動運転の電気自動車になった

■フィアットのアイコン「500」が63年目の大変身で電気自動車に。総電力量は42kWh、航続可能距離は320km

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新しいフィアット500と、フィアットブレンドのプレジデントを務めるオリバー・フランコス氏

COVID-19(新型コロナウイルス)が猛威をふるいジュネーブモーターショーが中止となる中、欧州各メーカーからニューモデルの発表が相次いでいます。

中でも注目といえるのがフィアットの発表した第三世代のFIAT500です。どこから数えると第三世代になるのか、「FIAT」の「500」という名前の歴史に通じていて映画『ローマの休日』にも登場した「トッポリーノ」から数えるべきといった人からは異論も出るかもしれませんが、とにかく多くの人が「FIAT 500」という名前から思い浮かぶカタチを受け継ぐモデルとしては3代目と数えるべきであろう新型FIAT 500の登場です。

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電気自動車になった新型フィアット500

新しいフィアット500は、ゼロエミッションの電気自動車として生まれました。発表されている電気自動車としてのスペックを整理すると、バッテリー総電力量は42kWhで、WLTPモードでの航続可能距離は320km。モーターの最高出力は87kW、最高速は150km/h(リミッター作動)、0-100km/h加速は9.0秒、0-50km/h加速は3.1秒と発表されています。

このスペックからは日産リーフ(40kWh)と同じ感覚で使うことができると考えられますから、フィアット500に求められるシティコミューター+α的な使用シーンにおいては十分な性能を持つ電気自動車といえそうです。

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全長4m未満というBセグメントのコンパクトカーで、十分な航続距離を確保した電気自動車です

さらにADAS(先進運転支援システム)についても自動運転レベル2を満たすテクノロジーが搭載されているといいます。フロントカメラによるレーンキープやACC(追従クルーズコントロール)を備えているというわけです。カメラは車両のほか歩行者や自転車も認識するということですからAEB(衝突被害軽減ブレーキ)の性能も期待できます。

また、駐車をアシストする機能としてドローンビュー(先ほど比較した日産リーフでいえば”アラウンドビューモニター”に近い機能)を実現したというのも見逃せません。

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ミラノで発表された電気自動車となったフィアット500

新型フィアット500のローンチエディションとして発表された「ラ・プリマ」はグレー、グリーン、ブルーの3色で、17インチアルミホイールやLEDヘッドライト、レザーシートなどを与えられた仕様。

そのほか、発表会ではジョルジョアルマーニやブルガリらとコラボレーションしたワンオフモデルも展示されましたが、おしゃれ度では群を抜いているフィアット500ですから、こうしたコラボレーションモデルの市販化にも期待が高まります。

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コンバーチブルが用意されているのは電気自動車としては新しい提案です

さらに量産電気自動車としては、おそらく初めての4座オープンカーとなるのもトピックス。電気自動車は排ガスを出さないゼロエミッションビークルですから、走行中には空気を汚さないわけで、オープンドライブとの相性は抜群のはずです。このクルマで景色のいい観光道路をドライブすれば、いままでにない体験ができること請け合いでしょう。

(自動車コラムニスト・山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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