新型ハスラーのターボは現状最強モデル!? 「頑張っている感」の無い走り【スズキ・ハスラーハイブリッドXターボ 4WD試乗】

■どんどんよくなる軽自動車のなかで総合力にもっとも優れる新型ハスラー

スズキのハスラーは初代が2013年に発表されたモデルです。初代は参考出品車として2013年の東京モーターショーに出品。今回試乗した2代目も2019年の東京モーターショーにハスラーコンセプトとして出品されました。

2代目ハスラーはターボエンジンと自然吸気エンジンの2タイプを用意。どちらもISG(モーター機能付き発電機)式のマイルドハイブリッドとなり、ピュアエンジンモデルは存在しません。

ハスラー フロントスタイル
先代とデザインが似ているエクステリア

試乗車はターボエンジンを積む上級グレードXの4WDで、シリーズ中もっとも高価なモデルで車両本体価格は消費税込みで174万6800円となります。搭載されるターボエンジンは64馬力/98Nmのスペックです。軽自動車なので排気量はもちろん660cc。ISGは3.1馬力/50Nmで自然吸気用よりもスペックアップされています。

ハスラーターボ エンジンルーム
ISGとの組み合わせでグッドフィーリングなパワーユニット

パワーユニットのトルク感は申し分のないものです。4WDでありながら900kgを切る880kgのボディを軽々と走らせます。一昔前の軽自動車はエンジンの回転数を上げてボディを引っ張ったものですが、最近の軽自動車にはそうしたリーリングはありません。

新型ハスラーはそうしたフィーリングをさらに向上させています。発進時にはISGがしっかりアシストすることもあり、グッとトルクを感じるフィーリングがあります。その後の加速感も力強く、かつての軽自動車のような「頑張っている感」はありません。アクセルペダルを踏みすぎないように気をつけて運転するような感覚すらあります。

ハスラーターボ インパネ
整然さのあるインパネ

ターボ車にはACCが装備されます。ACCは車間維持と速度調整を行うシンプルなもので、車線逸脱抑制機能(レーンキープ)とは独立して設定されています。

ACCと車線逸脱抑制機能を同時に作動させ、ステアリングから手を離すとステアリングを保持するようにアラートが発せられます。そのまま放っておくと、車線逸脱抑制機能のみがキャンセルさせACCは作動したままとなります。車線逸脱抑制機能の復帰は右ステアリングスポーク下のスイッチを押すだけなので簡単です。全キャンセルではなく車線逸脱抑制機能だけのキャンセルなのは「アリ」だと考えます。

ハスラーターボ ステアリングスイッチ
走行系のスイッチがまとまる右ステアリングスポーク

またターボ車には「PWR(パワー)」というスイッチが、右ステアリングスポーク内に装着されます。このスイッチはその名のとおり駆動トルクをアップするためのものです。登りのワインディングを走るときなどに使うのもありでしょうが、ACC作動時にも役にたちます。たとえば、ACC走行時に先行車がいなくなり、加速をした際の加速が弱く感じるときや、登り坂でもう少しトルクが欲しいときなどに押すことで、プラスアルファの加速が得られ、少し助かった感じがします。

デュアルカメラ
衝突軽減ブレーキ、ACC用のデュアルカメラ

全高1680mmのトールタイプのボディですが、コーナリングもしっかりとしています。タイヤサイズが165/60R15と太くもなく、細すぎず、そしてやたらと扁平率が低いといったことがないことも功を奏している感じです。乗り心地は同日に試乗したFFモデルのほうが少しいい感じでした。これはリヤサスペションの違いからくるもので、4WDはその機構上FFと同じトーションバー式が使用できず、トレーリングリンク式となっているからでしょう。

ハスラーターボ フロントシート
フロントシートはセパレート

ただし、価格も以前の軽自動車とう感じではなくなってきました。試乗したハイブリッドXターボ 4WDの車両本体価格は、消費税込みで174万6800円です。ダイハツの1リットルSUVであるロッキーのもっともリーズナブルなモデルが170万5000円です。

2WDと4WDという差などもありますが、もはや軽自動車は車両本体価格では登録車に迫りつつあり、諸費用面でのメリットが出費の差となるといった具合です。

(文・諸星陽一/写真・平野学)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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