FRからFF化されたことで居住性、積載性はどう変わった?【新型BMW 1シリーズ試乗】

■全長もホイールベースも短くなった新型BMW 1シリーズ

先代のFRからFF化された新型BMW1シリーズは、全長4355×全幅1800×全高1465mmで、先代は全長4340×全幅1765×全高1430mm、ホイールベースは2690mmでした。

全長は15mm短くなり、全幅は35mmワイドになっています。また、全高は35mm高くなっていて、前後席ともに頭上空間の余裕に貢献しています。ホイールベースは2600mmですので、先代よりも90mm短くなっています。

BMW 1シリーズ
新型BMW 1シリーズの外観

FRは、プロペラシャフトが邪魔をしてパッケージング(居住性)の面で不利であり、低全高化もしにくいというデメリットがあります。先代1シリーズは、FRらしいクーペのように低いスタイリングも特徴で、前後席の居住空間はCセグメントの中でも割り切りが感じられました。一方で、Cセグメント随一といえるハンドリングやトラクションの高さを実現していました。

BMW 1シリーズ
新型BMW 1シリーズのサイドビュー

新型BMW 1シリーズはFF化されただけでなく、全高を35mm高めたことで、先代までの低く構えたスタイリングではなくなったものの、最新のフロントマスクが与えられ、前から見たときの迫力は増しています。

BMW 1シリーズ
新型1シリーズのフロントシート

これにより、新型1シリーズは前後席のヘッドクリアランスが拡大しているだけでなく、後席フットスペースもホイールベースが90mm短くなった影響はあまり感じさせません。先代は、頭上まわりに気を使う必要がありましたが、乗降性も大きく改善しています。

BMW 1シリーズ
新型1シリーズのリヤシート

なお、身長171cmの筆者がドライビングポジションを決めた後ろには、膝前にこぶし2つ分、頭上にこぶし1つ分強の余裕があり、シートサイズも大きめ。とくに後席背もたれの天地高、座面前後長に余裕があります。後席の座面は低めに感じられる割に前方の見晴らしもまずまずで、閉塞感は抱かせません。

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新型1シリーズのラゲッジ

荷室容量は先代の360Lから380Lに拡大し、最大時は1200Lを確保。Cセグメントの中でも大きめといえる容量が確保されています。後席は「4:2:4」の分割可倒式。荷室ボード下にもスペースが用意されていて、開口部も大きく、地上開口高も低いため積載性、使い勝手共に上々といえます。

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新型1シリーズのラゲッジ

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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