10代目となる新型ホンダ・アコードは強靭なボディ、進化したハイブリッド、新設計サスペンションに注目!

■最新技術で走りをブラッシュアップした新型ホンダ・アコード

●進化した2モーターハイブリッド「e:HEV」を搭載

低重心・低慣性化された新型アコード。全高を低くするとともに、ヒップポイントを下げて低い位置に座らせるシートポジションを採用。さらに、前席乗員は車体の中央寄りに座らせる(前後/左右方向共に)ことで、走りの良さを追求した「動感パッケージング」を実現しているのが特徴です。

ホンダ アコード
新型アコードと開発陣

その走りを支えるパワートレーンはハイブリッド。2.0LアトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジンに、2モーター内蔵電気式CVTが組み合わされており、以前は「SPORT HYBRID i-MMD」と呼ばれていましたが、新型フィット以降は「e:HEV」と呼称が変更されました。

エンジンは107kW(145PS)/6200rpm、175Nm/3500rpm、走行用モーターは135kW(184PS)/5000-6000rpm、315Nm/0-2000rpmというスペックは現行型と同様ですが、PCU(パワーコントロールユニット)は、現行アコードから15%ほどサイズを縮小。また、インテリジェントパワーユニット(IPU)も32%サイズが小さくなっています。レアアースレスのモーターも新開発されたものです。

ホンダ アコード
新型アコードのエンジンルーム

●50kg軽く、重心高は15%低くなった新プラットフォーム

ゼロから開発されたプラットフォームにより、重心高は約15mm低くなり、ロール慣性モーメントは-7.2%、ヨー慣性モーメントは-1.7%、車両重量は-50kgを達成したそうです。

強靭なボディも自慢です。高張力鋼板の使用率は49%に達し、構造用接着剤、ショートピッチスポット溶接などによる高剛性化が図られていて、「L.W.I(Light Weight Index)」と呼ばれるボディ剛性のウエイト効率を示し指標は2.0となり、「EuroCarBodyAward WINNER 2017」に輝くなど高い評価を受けています。なお、ボディ重量は−5%、曲げ剛性は24%増、ねじり剛性は32%増となっています。

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低全高化が図られた新型アコード

●操安性と乗り心地の両立を目指したサスペンション

サスペンションも前後共に新設計されました。マクファーソン・ストラット式のフロントサスペンションは、A型からL型ロアアームに変更。横力と前後力を主にコンプライアンスブッシュが受け持つ構造にすることで、最適なコントロール性を実現したと言います。

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力強さが表現された18インチアルミホイールは、光沢のある太い掘削スポークが目を惹く

リヤサスペンションはE型マルチリンク式で、ダンパーとメインスプリングが別軸に配置されています。ダンパーを垂直に近づけることで路面からの入力をいなしやすくしながら、トランクの容量拡大にも貢献。

●4輪独立制御の可変ダンパーが走りのキモ

さらに、独自技術である「アダプティブ・ダンパー・システム」をアコードとして初採用。車両の動きやドライバーの操作を1/500秒単位で検知し、減衰力をリアルタイムで連続可変させる機構です。制御により異なる味付けが可能になり、車両特性を選べるドライブモードのコア技術でもあります。

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センターコンソールのシフトスイッチ後方に、ドライブモード用スイッチなどを配置する

そのドライブモードは、アダプティブ・ダンパー・システム、ハイブリッドシステムのパワーユニット、パワーステアリング、アジャイルハンドリングアシストなどを統合制御します。「SPORT」、「NORMAL」、「COMFORT」の3モードが用意されるほか、ステアリングには、アクセルオフ時の減速度を4段階で変更できるセレクターレバーが配置されています。

そのほか、デュアルピニオンアシストEPS、可変ステアリングギヤレシオなどによるハンドリングの良さも期待が高まるポイントです。

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新型アコードのインパネ

(文/塚田勝弘 写真/長野達郎)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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