注目は空力ボディ? マクラーレンSpeedtailが403km/hの最高速を記録 

●非の打ち所がないところがマクラーレンの魅力!?

たぶんスーパーカー好きにも、フェラーリ派、ランボルギーニ派、マクラーレン派とかあると思います。そのなかでね、僕はなんかマクラーレンに特別な感情を抱くんですよね。

羨望と嫉妬と。なんか賢そうじゃないですか、洗練されてて。このなかでいえばあまりエキゾチックではない。

マクラーレン・スピードテール01
マクラーレン・スピードテール。運転席はセンターシートとなる3人乗りです。

そのマクラーレンが近々デリバリーするモデル『Speedtail』のプロトタイプ『XP2』が、アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターでテストを行い、時速403キロという最高速をマークしたそうです。

すぐ想像できたのは「空力だろうな」ということでした。だってマクラーレンだから、むやみに大排気量・大パワーでゴリ押ししていくとは考えにくいもんね。で、あらためてデザインを見てみて納得! くー、この小にくらしいデザイン! すっごく空気抵抗を考えてそうなのに、流麗でカッコいい。あームカつく。

マクラーレン・スピードテール02
テールは滑らかに収束していくデザインです。このフィニッシュもスマートですね。

自動車のボディは、人間が乗らないといけないので、そこでいちばん上下方向に膨らむわけです。で、空気抵抗の低減には後半がけっこう重要なんですね。スパッと切り落としちゃうと空気の渦ができて抵抗が大きくなってしまう。後半は長ーくなめらかに収束していく形状のほうが、渦ができにくくて空気抵抗が少なくなるわけです。

まさにそうなっているじゃないですか! まぁ、よく考えたら「Speedtail」っていう名前ですからね。

マクラーレン・スピードテール
運転席の後方が長いですよね。これはけっこう空気抵抗の低減にいいんだと思います。

で、ウイングとかの出っ張りもだいたい空気抵抗になるので、あまりないほうがいい。でも、クルマのボディって形状的に、スピードを上げると浮いてきやすいんですね。特に前後でその傾向がちがうと直進安定性に悪影響が生じるので、きっとこのSpeedtailはフロア下の形状とか、いろいろ工夫して、そうならないように安定するような特性になってるんでしょうね。フロントのホイールにフラットなカバーがされているのも目を引きます。

マクラーレン・スピードテール04
キャビンからエンジンフードにかけて滑らかに絞られていく形状です。

エンジンフードには小さい穴がポツポツ開いていますが、これなんかも空気抵抗を減らす技なんじゃないかなー。キャビンからエンジンフードを経て、左右方向からも風がなめらかに合流するような曲線になっているところがまたちゃんとしていますねー。

マクラーレン・スピードテール05
エンジンフードにはポツポツ穴が開いていますが、その大きさも一定じゃないし、配置も工夫されてそうですね。

このね、非の打ち所がないところがマクラーレンの魅力というか、いちばんムカつくところですね。買えないしケチのつけようがないから(笑)。

このマクラーレンSpeedtail、ガソリンエンジンと電気のハイブリッド・パワートレインを使っていて、両方を組み合わせた場合の最高出力は1070psだそうです。限定106台のみ生産され、2020年の2月から順次デリバリーされるそうです。

マクラーレン・スピードテール06
パワーユニットはエンジンとモーターのハイブリッドです。

ちなみに、このテストが行われたのは、ジョニー・ベーマー実験場にあるスペースシャトルの着陸滑走路だそうです。スペースシャトルももう退役したので、着陸滑走路が使われることもなくなったわけです。いまではこんな用途にも使われるんですね。スペースシャトルも好きだった僕としては、いちど走ってみたいものです。

(まめ蔵)

この記事の著者

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まめ蔵

東京都下の農村(現在は住宅地に変わった)で生まれ育ったフリーライター。昭和40年代中盤生まれで『機動戦士ガンダム』、『キャプテン翼』ブームのまっただ中にいた世代にあたる。趣味はランニング、水泳、サッカー観戦、バイク。
好きな酒はビール(夏場)、日本酒(秋~春)、ワイン(洋食時)など。苦手な食べ物はほとんどなく、ゲテモノ以外はなんでもいける。所有する乗り物は普通乗用車、大型自動二輪車、原付二種バイク、シティサイクル、一輪車。得意ジャンルは、D1(ドリフト)、チューニングパーツ、極端な機械、サッカー、海外の動画、北多摩の文化など。
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