【サーキット女子に聞いたモータースポーツの魅力】その2・立花サキさん「生の迫力を感じてほしい」

とかく男の世界と思われがちなモータースポーツの世界。ところが最近は競女カップやWシリーズなど、ドライバーを女性限定にしたカテゴリも発足するなど、モータースポーツに関わる女性も増えてきました。

そんなモータースポーツの中でも、ドライバーとしてではなく、あくまで主役を支えるかたちでモータースポーツに関わっている女性たちは、一体どんなところにモータースポーツの魅力を感じているのでしょう? そんなちょっとした疑問を、実際にモータースポーツの現場にいる女性に聞いてみようというこの企画。

第2回目は、元トップレースクイーンで、現在はモデルや女優として活動する傍ら、サーキットではレースクイーンのコントローラーをされている立花サキさんにお話を伺いました。

── まずは立花さんの経歴から教えてください

よろしくおねがいします、立花サキです。

私は2010年にスーパーGTで、GOOD SMILE RACING・レーシングミクサポーターズとしてレースクイーンデビューして3年間、そして2011年からはD1でアップガレージ・ドリフトエンジェルスとしても2年間活動させていただき、2012年にレースクイーンを引退しました。

※その間、2011年度に日本レースクイーン大賞グランプリ、2012年にはレースクイーン・オブ・ザ・イヤー11-12を受賞。両タイトル獲得者は立花さんと佐野真彩さんの2名のみ

2013年からはレースクイーンをきっかけにタレントやモデルとして活動し、現在は女優を目指して頑張っています。

また、サーキットではレースクイーンのコントローラーというお仕事を2017年からやらせていただいて、今年で3シーズン目になります。

── レースクイーン歴が3年と短いのは意外でした。どんなきっかけでレースクイーンになったのでしょう?

はい、私の父がタイヤ関係の仕事をしていて、小さい頃から車には慣れ親しんでいました。テレビでF1とかも観てましたね。

また宮城出身で、正直車がないと生活できないというのもあり、18歳で免許を取って周りの友達もみんな車に乗っていました。その頃はビッグセダンが流行っていて、同じ世代の男の子たちもドレスアップとかしていて、私はランクルに乗りたいと思っていました。

その後、父の仕事の都合で19歳で東京に出てきて普通に会社勤めしていたのですが、なんだか平凡な毎日がつまらなく感じていました。そんな時メイクアップアーティストになりたいという目標ができ、一大決心して会社を辞めてメイクの学校に通い出したんです。

ところがいざ学校に通ってみると自分には全く向いてない事がわかり、会社も辞めてしまったのにどうしよう…と悩んでいたところ、先輩に「バイト感覚でコンパニオンの仕事してみたら?」というお誘いを頂いて、事務所に入ることになりました。

そこで初めてその事務所の社長さんとお会いした時に「レースクイーンの仕事もあるけどオーディション受けてみるかい?」と言われたのがレースクイーンの世界に足を踏み入れることになったきっかけです。

なので父の転勤と先輩との出会い、この2つの偶然がなければこの世界には絶対出会えていなかったと思います。

── なるほど。いろんな出来事が重なって、トップレースクイーンが誕生したわけですね。3年間のレースクイーンとしての活動の後、4年間離れたモータースポーツの現場に帰ってきたわけですが、それにはどんな理由があったのでしょう?

そうですね。引退してからはお客さんとして何度かサーキットに遊びに来ていました。

そんな時、現役時代のコントローラーさんからお話を頂いて、元々自分がお世話になったチームで仕事をさせていただけるのも嬉しい話だなというのと、それまで人を育てるっていう事をしたことがなくて、表に出る仕事もしていますけど、そういう事も勉強になると思い、今のコントローラーという仕事を始めさせていただきました。

そのコントローラーさんとの出会いやその後のつながりがなければ、今の仕事に就くことはなかったかもしれません。

── ここでもやはり人とのつながりがあったからこそというわけですね。そんないろいろなつながりでモータースポーツと今現在も関わっているわけですが、立花さんの感じるモータースポーツの魅力ってどんなところだと思いますか?

テレビや、最近はインターネットでもレースは観ることができますが、やっぱりサーキットに来たときの生の音や迫力がぜんぜん違いますよね。

初めてレースクイーンとしてサーキットに来た時はすごくびっくりして、でも正直現役の時ってレースクイーンの仕事でいっぱいいっぱいでモータースポーツを満喫できなかったというのもありました。

実はコントローラーをやる前に1度、フォーミュラでマネージャーをやらせていただいた事があるのですが、そこでメカさんのかっこよさだったり、レースクイーンでいる時より近くで携わることで新しい魅力を知ることができ、そこで更にモータースポーツが好きになったと思います。

最近はエコとか若者の車離れなんて言われていて、ちょっと車のレースはっていうのはあるかもしれませんけど、サーキットに来るとある意味お祭りみたいに賑わっているので、画面で見るよりもやっぱり一度足を運んでもらって、生で見たときの感動を味わってもらいたいですね。

それからこの仕事をやっていて、女の子たちが成長していく過程を見ることができるのもとても楽しく、やりがいのある仕事だと感じています。

レースクイーンのイメージって、近寄りがたいとかちょっと気取ってるって思われがちかもしれませんけど、それぞれみんな仕事に対して一生懸命な子が多いので、女の子たちのそういう部分を知らない人にこそ、そういうところも見に来てほしいですね。

ちょっと話をしたりとか、会ってみると想像しているのとギャップがあったりして、とても魅力的な子ばかりだと思うので、男性にはいい意味で積極的になってほしいなと思います。

草食系男子なんて言葉もありますけど、私自身も自分からいけないほうなので、肉食系男子というか、例えば彼氏が車に乗って彼女とデートがてらサーキットに足を運んでもらって、一緒にレースを体感してもらえたら、車やレースの楽しさがさらに広がるんじゃないかとすごく思います。

なのでサーキットに来たことのない方には、今まで見たことのない新しい世界を観に、そして今までもサーキットに来てくれている方々やレースクイーンを応援してくれている方々には、今後も引き続きレース業界を盛り上げてほしいなと思います。

人とのつながりによって出会ったモータースポーツ。そこは単に車が走るだけでなく、新しい出会いや成長の場所でもあります。立花さんはそんなところに身を置くことで、自身もレースを楽しみながら成長していけることにも魅力を感じているようでした。

女優やモデルの時とはまた違う立花さんの活躍ぶりを見にサーキットに来るのもまた、一つのレースの楽しみ方と言っていいのではないでしょうか?

それではまた次回をお楽しみに!

(H@ty)

【関連記事】

【サーキット女子に聞いたモータースポーツの魅力】その1・佐野真彩さん「一体感に魅せられて」
https://clicccar.com/2019/08/02/895856/