【エクリプス クロス試乗】ガソリン直噴1.5Lターボは「わんぱく」でした

●FFも用意される三菱・エクリプス クロスのガソリンモデル

三菱・エクリプス クロスは約4.4mのコンパクトな全長に大人がしっかり座れる2列シートを備えたSUVです。全高は4405mm、全幅が1805mm、全高が1685mmというサイズ。

2019年6月に追加されたディーゼルエンジン車は4WDモデルのみとなりますが、今回試乗したガソリンエンジンモデル(Gプラスパッケージ・4WD・310万7160円)にはFFも用意されています。

エクステリアでのこのクルマの狙いは、サイドウィンドウ形状によく現れています。一般的なSUVモデルよりもウィンドウの上下の幅が狭く、リヤにいくにしたがってさらに小さく絞り込まれていく造形。

リヤドア後部に窓がないこととも相まってパーソナル感が強い格好良さを演出しています。

この雰囲気はリヤにも続きます。強く後傾したウィンドウは、明らかに一般的モデルとは違うスポーティさを作り出すことに成功しました。ただし、これによって視界が悪くなることを良しとしなかった三菱は、下部にエクストラのウィンドウを設けるという配慮を施してもいます。

最低地上高はSUVモデルとしては控えめな175mmですが、たまにダートに入る程度でしたら十分なものでしょう。代わりといっては何ですが、アプローチアングルは20.3度、デパーチャーアングルは30.8度と大きく確保されています。

これは前後オーバーハングを短めに確保したスポーティなスタイリングの賜物とも言えます。

横置きされたエンジンは1.5リッターの直噴4気筒ガソリンターボです。150ps/5500rpm&24.5Kg・m/2000rpm〜3500rpmというスペックを持っています。

トランスミッションはCVT。これには擬似的に8段のギヤを設けてあり、アクセルの踏み込み度合いによってステップ変速をするほか、パドルを使ってマニュアル操作することも可能です。

車重は1550kgと超軽量というわけではありませんので「果たしてターボとはいえ1.5Lのエンジンで十分に走るのかしら」と疑問を持つかもしれませんが、心配には及びません。ごく低い回転域から十分なトルクを発生してくれるエンジンと、適切なギヤ比で運用してくれるCVTのおかげで、ちょっと意外なほどに元気よく走ってくれるんですよ。

コーナリングにおいても車体がキビキビと軽快に動いてくれるのがエクリプス クロスの気持ちいいところです。この軽快なハンドリングに貢献しているのは高いボディ剛性であることは疑いがありません。

基本的なボディ剛性が高いのはもちろんですが、エンジンルームに三点固定式のストラットタワーバーを入れてあったり、リヤゲート開口部分に接着剤を充填して強度を高める策が施されていることにも注目です。

スポーティな外観と走りが魅力的なこのクルマ、実は前後シートのサイズが非常にたっぷりとしていて、かけ心地が良い上にそれぞれの空間も広いことも美点。

また2列目シートを使った状態でもラゲッジ容量は最大で448Lを確保するなど、実用性が高い点にも注目してください。

エクリプス クロスは世界各国で好調な売り上げを記録していますが、ルックスと走り、バリューが同居した内容を見るにつけ「そりゃそうでしょうね〜」と納得しちゃいます。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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