塚本DがD1ライツに初参戦! D1GPプロモーションディレクターが選手目線でシリーズ戦のレベルを実感

●「選手目線での情報発信」。D1GPプロモーションディレクター・塚本奈々美がD1ライツに参戦

今季D1GPのプロモーションディレクターに就任した私・塚本奈々美、世界最高峰のドリフトシリーズの魅力を内外に紹介すべくD1GP2019開幕シリーズ(筑波)で早速活動を始動しましたが、私のやりたいことのひとつが「選手目線での情報発信」です。

もちろん、GPライセンスを持たない私がいきなりD1GPに出場するわけにもいきません。そこで、D1GPのアンダーカテゴリーであるD1ライツ2019に出場し、あこがれのD1GPを目指す私の姿を通して、選手目線のドリフトの魅力と併せ、目標とするD1GPのすごさなどをお伝えしていけたらいいなと思い立ちました。

D1ライツが「アンダーカテゴリー」といっても、サッカーでいうならJリーグのJ2に相当し、出場選手やマシン、そして採点基準なども、まさにD1GPに準ずるレベルの高いシリーズ戦で、その人気から出場台数も多く、単走予選を通過して、単走上位16台による追走決勝トーナメントに進出するだけでもかなり難しいんです。

また、鈴木学さんの実況、神本寿さんの審査、ビデオオプションのライブ配信など、D1GPさながらの本格的なシリーズとなっています。

このレベルの高い大会に挑むにあたって、私は2JZエンジン搭載の80スープラで挑むことにしました。

マシン作りにあたっては、スポンサー各社、メカニック、ラッピング会社などなど、多くの方々のご協力、そして私にとっての初戦となったD1ライツ第2ラウンド、エビス大会(7月7日)の直前まで文字通りの不眠不休の作業により、なんとか前日の朝にチーム「アゾン ダンロップ TONE773」のマシン「JZA80えっくすきゅーと773」号が完成、ドリフトの聖地エビスのピットでお披露目ができました。

ということで、マシンのシェイクダウンも大会本番が行われるエビスサーキットとなり、また悪天候の中でのヘビーウエット路面、ハイリスクでテクニカルなコースでの初走行ということで、慎重に走りを組み立てていったつもりでしたが、私の操作ミスでマシンは壁にクラッシュ…

右フロントが折れてしまい無残な姿に…車がとても乗りやすかっただけに悔やんでも悔やみきれないミスでした。

チームにはさらなる不眠不休を強いることになりながら、懸命な作業でなんとか大会本番で走ることはできましたが、破損の度合いがかなり大きく、元どおりの動きではありません。

それでも、なんとか雨の中応援に来てもらったドリフトファンの皆さんに、新しいえっくすきゅーとスープラが走るところを見てたくて、それだけに集中して単走予選に挑もうと決心しました。

この日の朝の公式練習から少しは雨量が減り、崩れた足回りのアンバランスさがますます目立つようになりました。

路面のグリップが少し回復したことによるクルマへの負荷、そして公式練習より加速してスピードを上げないと、審査で定められている通過ポイント(ボックス)を捉えることが出来ないと予測して1本目に臨みました。

そんな予測を元に、アクセルを開けて飛び出した最終コーナーでタイミングが合わず、リアが壁に一直線! あわやまたまたクラッシュか? というところでしたが、必死でかわしました。

もちろんこれでは高い得点は望めません…

2本目、失敗した点を冷静に分析し、外から走行ラインを見てくれているスポッターの日比野哲也さんに最終コーナーのライン取りを確認、ドライバー目線と俯瞰からの映像でズレを直して挑みました。

一番いいラインをトレースし、なんとか走り切りましたが、強豪選手の出場も多かった今大会、残念ながらベスト16による追走決勝には進めませんでした。

それでも、今回は本番でとても冷静に判断できた自分を感じることができて、少しだけですが精神面の成長も感じることもできました。

難しいコンディションでの組み立て、車を操る技術はまだまだ足りてないと痛感しましたが、それを真摯に受け止め、もっと上達していきたいと思います。

次戦はD1ライツ日光大会(8月4日)に出場します。こうして私の戦う(悪戦苦闘の?)姿を通じてドリフトの楽しさ、素晴らしさをしってもらえたら嬉しいです。

(D1GPプロモーションディレクター・塚本奈々美)

この記事の著者

塚本 ナナミ 近影

塚本 ナナミ

2013年に4輪デビューし国内外のレース、ラリー、ドリフト競技に参戦する「三刀流」ドライバーとして活躍。2007年にモータースポーツに触れてから車業界の盛り上げと啓蒙活動にも力を入れ、テレビなどのメディアにレーシングドライバーとして出演。
さらに、やまなし大使、人気アプリゲーム「ドリフトスピリッツ」(バンダイナムコ)のキャラクター兼プロデューサーとしてイベントを開催。子どもや女性にもモータースポーツの普及をと、東京タワーのE-MOTOR SPORTS施設のアンバサダーを務める。
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