【新車】標準車と福祉車両の「垣根をなくす」、新型タントのフレンドシップシリーズが登場

●ユーザー目線の使いやすさを徹底して研究開発された、新型タントのフレンドシップシリーズ

2019年7月9日に発表、発売された新型ダイハツ・タント。同時に、フレンドシップシリーズ(福祉車両)も発売されています。

新設定された「タントウェルカムターンシート」(回転シート車)は、標準車と福祉車両の「垣根をなくす」のが狙い。具体的には、自立支援や介護予防の観点を加えることで要支援、要介護者の外出の機会を増やし、健康寿命を延ばすことや、要介護者への介護負担の軽減を目的に開発したとしています。

企画段階から開発者自身が高齢者の乗り降りや介護施設での使われ方を調査し、ユーザー目線の使いやすさを徹底して研究。また、従来福祉車両に比べてより良品廉価なモデルとしているのも特徴です。

「ラクスマグリップ(助手席)」を正面でつかむことができる回転角度(30度)にすることで、足腰に不安のある人もグリップをつかみながら安心して乗り降りが可能。回転後シート部分が車外に出ないため、助手席のドアが全開できないような、狭い駐車スペースでも乗降ができるそうです。狭いガレージや住宅街などで使いやすい設計になっています。

さらに、ワンモーションで車いすをラゲッジスペースにラクに収納できる電動式の「パワークレーン(車いす収納装置)」が搭載されていて、クレーン本体が天井部に装着されているため、荷室の床面は標準車と同様に広く使えるのもポイント。

「タントウェルカムシートリフト」(昇降シート車)は、ミラクルオープンドアならではの2モードの昇降パターンなどの優れた機能はそのままに、シートと昇降ユニットが一新されていて、昇降性と操作性が引き上げられています。

具体的には、シート座面サイドの盛り上がりを前方部分はフラットにしたことで、走行時は身体をサポートしながら、シートの乗り降りのしやすさが向上。助手席の前後位置を調整するスイッチを運転席側にも追加されたことで、運転席からも操作ができます。

また、昇降ユニットの性能向上、シート座面形状のフラット化に合わせて、より低い位置までシートが下降(2WD)するため、シート降下後の乗降や車いすからの移乗のしやすさが向上。

車外への突出量を約230mm低減したことで介助スペースを拡大するとともに、よりスムーズな動きへ改良したことにより乗降時間の短縮も可能になったとしています。車内電動スライド量の増加と回転軸中心位置も見直されていて、回転時の足元スペースを45mm拡大、膝の曲がりにくい方もより安心して乗降できます。

「タントスローパー」(車いす移動車)は、「普段使いで使いにくい」「車いすの乗降時の操作が難しい」といったユーザーの声が反映され、乗り降りしやすく使い勝手の良い、日常の様々な場面で活躍できるクルマへ進化しています。

スロープの前倒が可能な機能を追加したリトラクタブルスロープを新開発され、車いす乗車がない場合は簡単操作で、フラットで大容量なラゲッジスペースを確保。また、シンプルでわかりやすい車いすの乗降、固定操作、乗降性の向上が図られていて、車いす固定ベルトがリトラクタ式に変更されています。

レバーを押すだけでベルトのロック解除ができるワンタッチ式に変更され、ベルト長さも簡単にすばやく調整が可能に。ワイヤレスリモコンの収納ポケットも取り出しやすい位置に新設定されています。室内の車いす乗車スペース幅が20mm拡大し、車いすの乗降性が向上したのも朗報です。

ほかにも、ミラクルオートステップ、ラクスマグリップもオプション装着可能になっていて、助手席ターンシート装着グレードも設定。足腰に不安のある人や車いすの方など、様々な方の乗降シーンに対応しています。

新設定された「タントウェルカムターンシート」の価格帯は、1,390,000円〜1,650,000円。「タントウェルカムシートリフト」は、1,545,000円〜2,070,000円。「タントスローパー」は、1,445,000円〜1,925,000円です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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