三菱・エクリプス クロスに追加された2.2Lクリーンディーゼル+8AT仕様【三菱エクリプス クロス試乗記】

●デリカD:5と同じ「4N14」型エンジンを搭載した三菱・エクリプス クロス

2019年6月13日、三菱自動車のクロスオーバーSUV「エクリプス クロス」に、2.2Lクリーンディーゼルエンジン仕様が追加されました。ここでは、同エンジンとトランスミッションについてご紹介します。

デリカD:5と同じ「4N14」型エンジンは、2267ccの直列4気筒で、コモンレール式DI-Dインタークーラーターボ。既存の1.5Lガソリンエンジンよりも約1.6倍大きいトルクが自慢で、最高出力は145ps/3500rpm、最大トルクは380Nm/2000rpmです。

デリカD:5と同様に、従来型の「4N14」からの進化ポイントは、アイドリングストップの採用、新型インジェクターによるエンジン再始動時間の短縮、エンジンフリクション(機械的摩擦損失)を従来型よりも最大27%低減。さらに、EGR領域を拡大することで、NOxを低減させています。

排気ガス浄化システムは、尿素SCRシステムを使い、アドブルーの消費量は1L/1000km程度だそう。タンク容量は16Lで、軽油の給油口の隣に尿素水(アドブルー)の給水口が配置されています。

尿素SCRシステムは、システムが複雑になりコストアップや尿素水の補給という手間がある一方で、従来のNOxトラップ触媒とDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)の組み合わせよりも排ガス浄化効率が高く、排気温度を上げることで広範囲でNOx低減が可能になっています。

組み合わされるトランスミッションはアイシンAW製の8速スポーツATで、ガソリン仕様のCVTとは異なっています。

6ATから8ATに多段化されたことでワイドかつクロスレシオ化されたギヤ比の設定により、燃費と動力性能を向上。ローギヤは約3%ハイギヤード化、トップギヤは約23%ハイギヤード化されていて、トータルでは約27%のワイド化を遂げています。

さらに、従来の6ATが106kgという重量だったのに対し、多段化されたにもかかわらず4kgほど軽い102kgとなっています。また、8ATはアクセル操作・ブレーキ操作に対して気持ちよく走らせるためのマップ制御が盛り込まれています。走りの印象については別記事でご紹介します。

なお、JC08モード燃費は15.2km/L(ガソリンは14.0〜15.0km/L)で、WLTCモードは14.2km/L(市街地モード11.0km/L、郊外モード14.0km/L、高速道路モード16.4km/L)。駆動方式は4WDのみ(ガソリンは2WD/4WDを設定)です。ディーゼルエンジンモデルの価格帯は306万1800円〜342万4680円。上記の白い試乗車は「BLACK Edition」で、価格は342万4680円となっています。

(文/塚田勝弘 写真/中野幸次、三菱自動車)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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