【フィアット500X試乗】クルーズコントロールとアダプティブクルーズコントロールを装備

ニューエンジンが搭載されたフィアットのコンパクトSUV・500Xは、軽快に吹け上がるエンジン特性などにより上質感にあふれるモデルに仕上げられていました。

従来モデルは18インチタイヤを採用していたのですが、今回からは17インチにタイヤを変更しました。タイヤサイズは215/55R17です。従来タイヤに比べると路面コンタクトが優しく、乗り心地がゆったりとしています。試乗時には後席にも乗ってみましたが、かなりいい感じです。若干の突き上げ感は感じますが、2570mmのホイールベースとしては十分に受け入れられるレベルでしょう。

ハンドリングもなかなかシャープさを持っています。ステアリングの操作に対しての動きはキッチリしていて、そのレスポンスも高いレベルとなっています。SUVというスタイリングを実現するために1610mmと高めの車高となっていため、ロールはそれなりにするのですが、とくに不安感もなくきっちりと走ることができます。

ベーシックモデルとなるフィアット500Xには、追従やレーンキープをおこなわないクルーズコントロールが装備されます。一方、500Xクロスにはクルーズコントロールとアダプティブクルーズコントロールが装備されます。

???と思う方も多いでしょう。クルーズコントロールがアダプティブになるのではなく、なんと2種類のクルーズコントロールが装備されるのです。ステアリングスポーク右側上段のスイッチはクルーズコントロールで、このスイッチを使ったときには追従走行はおこなわれません。下段のスイッチはアダプティブクルーズコントロールで、このスイッチを使ったときには追従走行もレーンキープもおこなわれます。

追従については一般的なレベルを確保していますが、レーンキープはちょっときつめな動きです。たとえばクルマが左よりとなり、レーンキープのためにステアリングが右に操作されると、右に行きすぎ、それを修正するために左に行きすぎるという傾向があります。アダプティブクルーズコントロールとレーンキープのみをカットできるとより使い勝手が上がるでしょう。

(文/写真・諸星陽一)

この記事の著者

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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