【新車】ポルシェAGがクロスオーバーSUVのカイエンクーペに「カイエンSクーペ」を追加

●エンジンレスポンスにも自信あり。センターターボレイアウトを採用した「カイエンSクーペ」

SUVのカイエンとクーペをクロスさせたカイエンクーペ。BMWがX4、X6などのクロスオーバーSUVを、メルセデス・ベンツがGLCクーペやGLEクーペなどをリリースしていますから、ポルシェになかったのは不思議なくらいといえそうです。

2019年5月、ポルシェAGは、パワフルなカイエンクーペのラインアップに、最高出力324kW(440PS)を誇る2.9L V6ツインターボを搭載する「カイエンSクーペ」を追加すると発表しました。

なお、カイエンクーペはドイツ本国で2019年3月に世界初公開されています。250kW(340PS)のカイエンクーペと404kW(550PS)のカイエンターボクーペの間に位置する「カイエンSクーペ」を追加することで、SUVクーペのラインナップが強化されます。

440PSのハイパワー・550Nmの分厚いトルクにより、0-100km/h加速は標準装備のスポーツクロノパッケージにより5秒で達し、オプションのライトウェイトスポーツパッケージを装着した車両では4.9秒で到達。最高速度は263km/h。

ほかにもパワーステアリングプラス、20インチアルミホイール、パークアシスト、サラウンドビューカメラ、ポルシェ・シェアクティブサスペンションマネジメントシステム(PASM)が標準装備されます。

カイエンクーペは、よりシャープになったプロポーションとアダプティブリヤスポイラーと2つのルーフコンセプト、独立したリヤシートなどが特徴。従来のカイエンと比較して、後部座席は約30mm低くなっています。広大な固定式パノラマガラスルーフが標準装備で、オプションのカーボンルーフはカイエンSクーペにスポーツカーらしい印象を付与しています。

さらに、後方に傾斜する急勾配のルーフラインは、カイエンSクーペのダイナミックな印象を強調。固定式リヤスポイラーもクーペらしいプロポーションに一役買っています。浅く傾斜したフロントウインドウとAピラーにより、ルーフエッジはカイエンよりも約20mm低くなりました。

カイエンクーペ全車において固定式リヤスポイラーは、ポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)の一部であるアダプティブリヤスポイラーとともに搭載されています。 PAAのスポイラーは、90km/hを超えると135mmまで展開し、リヤアクスルへの接地圧を高め、車両の俊敏性も向上。

また、カイエンSクーペに搭載される2.9L V6ツインターボは最大トルクの550Nmを1,800回転から5,500回転の幅広いエンジン回転数で発生。2つのターボチャージャーがV型シリンダーの中央に配置されたことで、エンジンのコンパクト化が可能に。

さらに、重心も低くなったことで、横方向のダイナミクスも向上したそうです。燃焼室とターボチャージャーをつなぐ排気経路が短くなったことにより、自然なエンジンレスポンスと素早い加速が可能になったとしています。なお、日本への導入時期、価格などは現時点ではアナウンスされていません。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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