新しい柱は「ID.3」。「ビートル」「ゴルフ」につづくフォルクスワーゲンの屋台骨となるEVがティザー公開

■3万ユーロ(約360万円)からの価格設定、人気者を約束された新型EVの登場が迫る

フォルクスワーゲンが、同社が過去に大ヒットさせた「ビートル(初代)」や「ゴルフ」につづくベストセラーモデルを目指す新型EVの名前とシルエットを発表しました。

同社は電動車両シリーズに「ID」というファミリーネームを付けていますが、新型EVの名前は「ID.3」となるそうです。『3』という数字が示すのは、ビートルとゴルフにつづく中心モデルの第三世代であることを示しているといいます。

現時点で発表されているスペック関係の数字は限定されていますが、気になる価格はエントリーグレードで3万ユーロ(約360万円)未満。バッテリーサイズは3種類が用意され、量販グレードに搭載されるバッテリー総電力量は58kWhで、続距離はWLTPサイクルで420kmと発表されました。これは日産リーフe+(62kWh・458km)に近いイメージです。

発表されたシルエットからするとオーソドックスな5ドアハッチバックである新型EV「ID.3」は、はたして電動車両における市場の力関係を変えてしまうゲームチェンジャーになれるのでしょうか。

EVの車両価格はまだエンジン車よりも高価ですが、ID.3 に関してはメンテナンスコストがエンジン車に対して30%程度に抑えることができると、フォルクスワーゲンは主張しています。

つまり整備工場などメンテナンス業界の規模も変わってくる可能性があるわけです。その意味でもゲームチェンジャーであり、自動車社会を激変させる存在となるかもしれません。

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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