「タイヤ選びの基準とは?」格安タイヤが溢れる中、タイヤは何を基準に選べばいい?

■なんでもできるタイヤがいいタイヤ?

外国産の格安タイヤの登場や通販による価格競争によって、その選び方がますます難しくなっているのがタイヤです。タイヤは一体なにを基準に選べばいいのでしょう? もしかするとまだスタッドレスを履いている人がサマータイヤに履き替えようとしているとすると、そんな悩みを持っているのかもしれません。実は昨年末に「タイヤ選びの基準」となりそうなタイヤが市場導入されています。

冬場の発表だったため、多くのメディアをはじめ実際にステアリングを握るドライバーの注目もスタッドレスタイヤに集まってしまい、ちょっと隠れた存在になっていた横浜ゴムの「BluEarth(ブルーアース)」に追加されたBluEarth-GT AE51です。

・総合性能こそがタイヤに求める性能

タイヤに関してユーザーが求める性能はさまざまですが、最近は低燃費を求めるユーザーが多いこともあり、タイヤメーカーは低燃費タイヤをこぞって開発発売しています。しかし、ユーザーが要求する性能のなかで、相変わらず高い比率となっているのが、「ブレーキング性能」、「ウエット性能」といった安全に直結する性能と「静粛性」、「乗り心地」といった快適性に関する領域です。タイヤメーカーはこうした性能に関しても無視するわけにはいかない……そして徐々にさまざまな性能を合わせ持つマルチパーパスなタイヤが生まれて来ているのです。

自動車ライターはクルマ好き、走り好き、スポーツカー好きの人が多い(私もその一人です)のでどうしてもタイヤの評価では、コーナリング性能やハンドリングの正確さなどを高評価しがちですが、じつはタイヤにとってもっとも大切なのは総合性能なのです。

モータースポーツの世界では路面の状況によってタイヤをチョイスするのが一般的です。スーパーGTならばドライなら溝のないスリック、ウェットなら溝のあるレインタイヤを使います。また、タイヤが指定されていて溝付きタイヤしか使えないときは、雨の強さで溝の深さ(新品か中古か)を選ぶ場合もあります。

ところが一般道はとんでもなく路面状況が変化します。冬場はスタッドレスタイヤに履き替えるとしても、路面温度は0℃から60℃あたりをカバーしなくてはなりません。高速道路のような整備され高いグリップを持つ路面から、砂が浮いたような滑りやすい路面、霧雨の道、ヘビーウエットの路面などなどあらゆる路面できちんとした性能を確保できないとユーザーは満足しません。

そんな要求に応えてくれるのが横浜ゴムのブルーアースGT AE51だと言えるでしょう。そもそもブルーアースというのは2010年に省燃費タイヤの世界共通ブランドとして登場したモデルで、さまざまな場面でのエネルギーロスを低減して高い燃費性能を実現。トヨタ・プリウスに純正採用されるにまで至っています。

そうした低燃費タイヤを代表するブランドになんと「GT」の二文字が冠されたタイヤが登場したのです。ただ売るためのネーミングかと思いきや、箱根ターンパイクで走らせてみるとこれがビックリするぐらいにいいフィーリングなのです。横浜ゴムにはスポーツタイヤブランドのアドバンがありますが、タイヤの性能としてはアドバンシリーズに迫るものです。きっとこのタイヤは「燃費のいいアドバン」として売るか、それとも「乗って楽しいブルーアース」として売るか? 開発者やマーケティング担当も悩んだだろうなあと想像させるフィーリング。まさに今のタイミングでタイヤ選びに迷うようなら、買って間違いのない一品だと言えるでしょう。

(文・諸星陽一/写真・松永和宏)

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この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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