赤旗2回、SC4回のサバイバルバトル! リタイヤ続出のGT300!土砂降りの雨で途中打ち切りの開幕戦岡山【SUPER GT 2019】

■波乱万丈のGT岡山開幕戦「2019 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE」

4月14日に岡山国際サーキットで決勝レースが開催された「2019 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE」。

朝から小雨のぱらつく中、レースのスタート進行が行われます。お昼ごろから開催されたサポートレースであるポルシェカレラカップジャパン辺りから雨足は急速に強まって行き、いよいよ本格的な雨となってきました。

それでもスタート進行、グリッドウォークでは小降りとなってきて、かなりセッティングに迷いをおぼえるチームも多く、ここでのタイヤチョイスの判断が勝負を大きく分けることとなります。

ポールポジションは55号車ARTA NSX GT3。雨天ではコーナーの立ち上がりでトラクションのかかりやすいリアエンジン、リアミッドシップが強いのではないかという下馬評も立っており、NSX GT3とブリヂストンの組み合わせはかなり有利なのではという予想を立てる方も多いようでした。

14時30分にフォーメーションラップを開始の決勝レースは、ウエットコンディションで始まります。そのスタートもセイフティーカー(SC)スタート。

3周のセーフティカーランの後に4周目でスタートが切られます。ポールポジションARTA NSX GT32番手スタートの96号車 K-tunes RC F GT3がサイド・バイ・サイドの激しいバトル。

その一方、5番手スタートだった25号車HOPPY 86 MCが1コーナーで姿勢を乱し、イン側にいた5号車 ADVICS マッハ車検 MC86に接触!25号車はイン側にクラッシュし、ADVICS マッハ車検 MC86もコースアウト。ここでSCが導入されます。

11周目にSC解除後、ARTA NSX GT3のペースはなかなか上がらず後方から押しまくりだった K-tunes RC F GT3が12周目にトップに躍り出ることに!

しかしその後の13周目に2コーナー立ち上がりで10号車GAINER TANAX triple a GT-Rと88号車マネパ ランボルギーニ GT3が、モスSコーナー手前で接触。弾みでGAINER TANAX triple a GT-Rが外側のスポンジバリアに激突。コース上まで跳ね返ったGAINER TANAX triple a GT-Rに7号車 D’station Vantage GT3が巻き込まれます。このクラッシュで飛散したパーツを避けようとした33号車エヴァRT初号機 X Works GT-Rもスポンジバリアに当たり、壮絶な多重クラッシュが発生!SCが導入されますが、雨量も激しくモスSコーナー周辺には多くのパーツが散らばったためにレースは赤旗中断となってしまいます。

レースは15時45分に再開されますが、GT500クラスでの24周目にトップ争いで接触がありグラベルストップ車両が出てしまいます。また雨が再び強くなったためこのレース4回目のSC導入。このSC中に50号車 EXE AMG GT3もモスSコーナーでクラッシュしてしまいます。このクラッシュでセーフティカーランがさらに続くことになり、また16時を過ぎたあたりから路面の状況悪化でスロー走行でもタイヤがグリップを失うハイドロプレーニングが起きてしまうことから、31周目にレースはふたたび赤旗中断。

雨はその後も強く降り続き、緊急の監督ミーティングを開催。レースは30周をもって打ち切り終了という判断が決定されました。順位は、この時点でトップだったK-tunes RC F GT3が優勝。

2位はARTA NSX GT3、3位は予選順位からこの位置を守り続けた52号車埼玉トヨペットGB マークX MCとなりました。埼玉トヨペットGB マークX MCはSUPER GT初出場以来始めての表彰台となります。

ピットインも行われることのなかった30周での打ち切り終了とはいえ順位は確定したので表彰式は行われます。またポイントは規定周回数の75%未満でのレース終了のため通常の半分ということとなりました。そして2019年初のSUPER GT GT300クラスはブリヂストンタイヤが表彰台を独占するというカタチでの幕引き。今後のタイヤウォーズもかなり面白くなってきそうな予感です。

(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)

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この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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