【アプリリアRSV4 1100ファクトリー試乗】シンクロ率100%! ライダーと一体化してわずかな動きにも追従する

■レースマシン直系の高性能マシンが、意外にも普通に走れて驚いた!

市販のリッターバイクをベースにしたレーシングマシンで競われる世界スーパーバイク選手権(WSBK)。そこに投入されるモデルには、各メーカーが持つ最新の技術が注ぎ込まれている。そんな最高のポテンシャルを持つスポーツモデル、いわば正真正銘の「スーパーバイク」のひとつがアプリリア RSV4シリーズだ。

今回、過去に数々の好成績を収めてきたアプリリアのレーシング部門からのフィードバックを受け進化してきたフラッグシップモデルが、さらに進化を遂げた。65度の狭角を持つV型4気筒エンジンは999ccから1,078ccへ拡大され、アクラポビッチ製のチタンエキゾーストシステムとの組み合わせで217psをマーク。全域でのトルクアップも実現するなど、あらゆる面で先代(RSV4 1000)の性能を上回っている。


「いやいや、そんな高性能のバイクは扱えないよ」と言う声があるかも知れない。しかし、高性能を多くの人が使えるようにしているのが先進の電子システムだ。


3種類のパワーモードをはじめトラクションコントロールやクルーズコントロールなどによって、一般道でも破綻のない走行が可能となっている。そもそもV型4気筒エンジンはパワフルだがアクセル操作に対する追従性は素直なもの。ライダーが望むだけのパワーをスムーズに後輪に伝えてくれるので、普通に操作していれば普通に走ってくれる。

シートは腰高で足着き性はお世辞にも良いとは言えないし、ハンドルの位置もかなり低め。それらはすべて走行時の車体コントロール性を重視しているがゆえの設定。だがポジションは超コンパクトにまとまっていて250ccクラスに近い感覚。バイクとのフィット感も高く、まるで自分がバイクの一部になったかのような感覚だ。

●これで市販車!? カーボン製ウイングレットも標準装備

クラッチをつなぐと低回転からスルスルと動き出す。全域でトルクが太いというV型エンジンの特性によって市街地走行も十分にこなせる。といってもそれはエンジンの話。前傾度が高いポジションなので街乗りではそれなりの覚悟は必要。しかし高速道路などでペースを上げていくと良い感じで一体感が増していく。

コーナーリングではライダーが体全体で荷重移動し車体をコントロールする感覚なのだが、ライダーが動くと間髪入れずに追従してくる反応の鋭さを持っている。その動きもリッターバイクとは思えないほど軽快。もちろん高いポテンシャルを引き出そうとすればシチュエーションは選ぶが、スパッとコーナーリングが決まった時の快感はスーパースポーツモデルならでは。やはりコイツは生粋のスプリンターなのだと実感する瞬間でもある。

スーパースポーツ好きならば、新たに追加されたカウル横のカーボン製ウイングレットなどを見るとテンションが上がること間違いない。世界最高レベルのポテンシャルを持つマシンを入手し、自由に乗り回すことができる。それがこのバイクの最大の魅力であり、スーパースポーツ好きなライダーを魅了するポイントでもあるのだ。

【SPECIFICATIONS】
アプリリアRSV4 1100ファクトリー

全長×全幅×全高(mm): – × – × –
軸間距離(mm):1439
シート高(mm):851
車両重量(kg):199
エンジン種類:V型4気筒DOHC
総排気量(cc):1078
最高出力(hp/rpm):217/13,200
最大トルク(Nm/rpm):122/Nm
燃料タンク容量(L):18.5
トランスミッション:6速
ブレーキ(前・後):ダブルディスク・ディスク
タイヤ(前・後):120/70ZR17・200/55ZR17
車両価格:2,862,000円

(文:横田和彦/写真・動画:ウナ丼)

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