【KTM 790 DUKE試乗】走れば痛快&爽快! ライダーを夢中にさせるアドレナリン増大マシン

■過剰な装備は不要。ただ走るためだけに生まれたスプリンター

とにかく痛快! 走行フィーリングはその一言に尽きる。スタートしてすぐに「走ること」で頭がいっぱいになった。

オーストリアのバイクメーカー・KTMがリリースするマシンは、同社が掲げる「READY TO RACE」のキャッチコピーが表す通り、ライダーの気持ちを昂ぶらせるモデルが多い。そして790 DUKEも例外ではなかったのである。

LEDヘッドライトが低い位置にセットされたシャープなスタイルは、カラーリングも相まってひと目でKTMだとわかるもの。コンパクトな並列2気筒エンジンを強化メンバーとしたスリムなダイヤモンドフレームを採用し、マスの集中を実現している。

エンジンを始動すると、バララララッと独特の排気音が響く。アクセルをあおると鋭く反応し力強く吹け上がる。他メーカーの同型エンジンに比べてもかなり元気な印象だ。軽い操作のクラッチレバーをリリースすると、軽量な車体が弾かれたように加速する。そうそう、これがKTMのフィーリングだよね! 思わずニヤけてしまう。

バランサーを2個装備していることもあってエンジンの振動は意外と少ない。低回転域でのトルク感はやや薄いものの、吹け上がりスピードが鋭いのでもたつき感はゼロ。むしろアクセルを大きめに開けたときの豪快なダッシュ力は、ひとクラス上のモデルにも引けを取らないものだ。

●テールスライドに対応するためリヤのABSはカット可能

レスポンスは鋭いが、走りが神経質なわけではない。コントロールの幅が広いのでクルマの流れに乗るのもカンタン。ツーリングも難なくこなしてくれる。そのときに役立つのがオートシフター+(プラス)。オプションだが、走り出してしまえばシフトアップ/ダウンのどちらもクラッチ操作が不要なので楽することができる機能だ。またワインディングなどで「ちょっと元気に走ろうかな」と思ったときも加減速がスムーズに決まるのが嬉しい。

ほかにも高度な電子システムが数多く装備されている。スポーツ/ストリート/レイン/トラックの4種から選べるライドモードをはじめ、トラクションコントロールや後輪だけABSを解除できるスーパーモトモード、アンチウイリーシステム、急激なブレーキング時にリヤタイヤのホッピングを防ぐモータースリップレギュレーションなどを搭載。サーキットでのスポーツ走行から雨天時の滑りやすいコンディションまで、あらゆるシチュエーションでより安全にライディングできる。

エクストリームなスタイリングの中に上位モデルを追い回せるほどの高いポテンシャルを秘めているが、その実、扱いやすさも備えている790 DUKE。積極的にバイクを操る充実感を得たいライダーには文句なくオススメできる一台。アグレッシブかつ従順なKTM、ここにあり!

【SPECIFICATIONS】
KTM 790 DUKE

全長×全幅×全高(mm): – × – × –
軸間距離(mm): –
シート高(mm):825
乾燥重量(kg):169
エンジン種類:並列2気筒
総排気量(cc):799
最高出力(hp/rpm):103/ –
最大トルク(Nm/rpm):87/ –
燃料タンク容量(L):14
トランスミッション:6速
ブレーキ(前・後):ダブルディスク・ディスク
タイヤ(前・後):- ・ –
車両価格:1,129,000円

(文:横田和彦/写真・動画:ウナ丼)