街中でもドライビングトレーニング!?元F1ドライバー・井出有治を育てたマイカー5選

は~い! 新シリーズで~す!! カートからF1まで様々なカテゴリーへ挑戦し、レーサーとしてのキャリアを鍛え上げている元F1ドライバー&clicccarテストドライバーの「井出有治」さん自らがセレクトする「○○5選」シリーズがスタートです!

初回となる今回、実は「井出有治のお気に入りマイカー5選」としてインタビューをしていたら、途中からなんだか話の流れがおもしろい方向へ進んでいき……ということでタイトルを変更!「元F1ドライバー・井出有治を育てたマイカー5選」をお届けします!

あ、ひとつお断りしておきます。井出さん、細かいことはあまり気にしない性格のようで「年式とか型式とか何年に乗っていたとかあんまり覚えていな~い!」っていうのが多いので、ソコラヘン突っ込まないように(笑)。

■オヤジのチューンドGT-Rは、ハイスピードを体に馴染ませるのにピッタリ!!

車両名:スカイラインGT-R(BNR32/ガンメタ/多分MC前の前期/マインズ・チューン?)

GT-R(BNR32)はね、ボクが18歳で免許を取った頃に40歳代後半くらいのオヤジが乗っていたクルマ。このオヤジっていうのがかつてのスーパーカーブームの頃、ランボルギーニのカウンタックLP400やミウラとか乗っていたっていうクルマ好きだったんです。国産だとなぜかニッサン党で、西部警察のRSターボとかセド/グロとかレパードとか、いろいろ買い換えて乗るのが好きでしたね。そんな息子がボクってワケなんですけど!

このGT-R。免許を取得したその日に「わ~い、GT-R乗ろう!」って家に帰ったら、オヤジは何かを察したらしくどこかに乗って行ってしまっていたんです。大事にしているGT-Rですからね、免許取りたての小僧には乗らせたくないですからそりゃ隠しますよ!

このGT-RはマインズでECUチューンしたりタービン交換もしていたり、まぁまぁなパワーも出ていたんです。なのでハイパワーなクルマの感覚やハイスピードに目や体を慣らすのにはうってつけでした。この頃にはすでにカートの全日本戦とかも出ていたしF3にもスポットで乗っていたので、スピード感覚を鍛えるためにもよく借りて乗っていました。

でもね、このクルマ…ブレーキがノーマルだったんです! 今、この時代のオヤジに会ったら「ブレーキ強化もするように! 危なすぎる!!」って言ってやりたいです(笑)!

■自身初のマイカーで日々、シフトアップ・ダウンの回転合わせ練習!

車両名:初代ユーノス・ロードスター(NA6CE/青/5MT)

初代ロードスターは自身初のマイカーとして購入したクルマです。18歳の時ですね(1993年)。その時は全日本カートとF3をスポットで参戦していた頃ですけど、このロードスターでシフトアップ・ダウンの練習をしていました。

その練習方法は、30~40km/hの一定速度で1速~5速までシフトアップをする。また逆に、5速~1速までシフトダウンをしていく。アップもダウンも速度は同じだからエンジン回転だけが下がったり上がったり。コレってシフトアップしていくよりシフトダウンのほうが難しいんです。つなぐ瞬間も丁寧にして、エンジンブレーキが効かないようにギヤを落とした瞬間にちょっとアクセルも開けて。どの程度アクセルを開ければ回転が合ってギヤが入るか? とか、でも速度は同じで…って。コレでギヤチェンジの回転合わせ練習を物凄くやりました。

また、クラッチを使わないでシフトアップ・ダウン…とかもやりましたね。ミッションのギヤって加減速している時は押してるけど、どちらでも無い瞬間ってクラッチペダルを踏まなくてもギヤは抜けるし、入るんです。しかもロードスターのようにシンクロ付きのほうがシンクロ無しのドグミッションより難しいんです。加速してアクセル抜く瞬間に抜いて、入れるときは車速とエンジン回転が合わないと入らないから、アクセルをあおって回転が合ったときに入れるって感じ。これがまた回転合わせの練習になるんです。

この練習法は、なんとな~くやっといたほうがタメになるかな?と思って思いつきで始めたんですけど、このロードスターではホント、よくこんな感じの練習をしていましたね~。懐かしい!

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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