STIの今シーズンのレース体制を関係者が語る。「開発は順調、手応えは十分!」

■自分たちがやりたいと思う方向にマシンが仕上がっている

●大きく変化した訳ではないが引き出しが増えた!

スバル・STI(スバルテクニカインターナショナル)が行った、SUPER GT&ニュルブルクリンク24時間レース参戦車のシェイクダウンでは、ドライバーからは開発が順調に進み、現段階ではかなり調子が良いことが語られました。

SUPER GTではドライバーの井口選手は「今年のマシンは、ある意味正常進化というくらいで、大きく変化している訳ではないですが、しかし色々なテストが行えていて、引き出しが増えていると感じられます。カウルもテストで良い結果が出たので変えていて、その効果も出ていると思います」と開発が順調に行われていることが語られました。

コンビを組む山内選手は「非常に良い流れで今日まできてると思います。旋回性能も向上しているし、自分たちがやりたいと思う方向にマシンが仕上がっていると思います。ドライバーとマシンとの会話も順調にできているので、気持ちいい仕上がりになっていると思います」と、今年のマシンは非常に順調にマシン開発が行われていることが語られました。

SUPER GTの総監督を務める渋谷監督は「昨年出たトラブルや改善点は多くあったので、それを一つ一つ潰してきています。それにより良い仕上がりになっています。昨年は残念な結果が多く、ファンの皆さんに非常にがっかりさせてしまったので、それが無いように今年もマシンを仕上げています」と、ドライバー・監督が揃って良い感触を得ているようでした。

一方のニュルブルクリンク24時間のWRX STIについて井口選手は、「順調に開発が出来ていて、昨年よりもベストのタイムが上がっているので、何がどうしたのだろうと思いましたが、色々なものの積み重ねの結果かなと思います。曲がりやすい方向へのセッティングも出来ているので、悪いことは起きていないかなと思えます」と順調な仕上がりを見せているようです。

コンビを組む山内選手は「良い流れで出来ています。あとはもう現場で合わせ込めば良いのではと思えるほどの仕上がりです、優勝を狙うために出来上がっていると思います」とやはりいい流れで来ているのが語られました。

今回のシェイクダウンではドイツから、カルロ・ヴァンダム選手とティム・シュリック選手も駆けつけ、シェイクダウンを行いました。カルロは2008年のSUPER GTをクスコインプレッサで戦っており、2010年からスバルチームでニュルを戦っています、その中で、「毎年クルマが速くなっている。STIのパフォーマンスは最高だ。最高の1台で、今までの中で一番速いクルマだと思う。ブレーキのフィーリングを見つけるのに苦労したけど、慣れれば良い感じにブレーキングも行えることが分かった」と答えてくれました。

ティム・シュリック選手は2度目の来日で、富士スピードウェイは初めてのコースということで、まずコースに慣れることから始まりましたが、何年もスバル車に乗っていることもあり、かなり速い段階でマシンを理解しているようでした。またその乗りやすさも良い感じに仕上がっていると答えてくれました。

総監督を務める辰己監督は「まぁまぁ合格点に仕上がっています。このクルマの走りかたを覚えれば簡単に走れるでしょう。国内でのテストをちゃんとしていけば、ドイツに持って行っても平気じゃないかな。2018年の反省が2019年モデルに反映出来たと思います。今年はディーラーメカを例年の6人から8人に増やしたので、若い人材も育てられます」とニュルを続ける意味合いも語ってくれました。

順調に開発が進んでおり、今年もクラス優勝、夢の1周8分台、総合順位での上位争いが見えてきたようです。

(写真&テキスト/雪岡直樹)