「ベイビー・ジャガー」E-PACEは雪上でも頼れる安心感を披露【ジャガー・ランドローバー雪上試乗会】

【FFベースのフルタイム4WDらしい安定感は「頼もしい」のひと言】

長野県白馬で開催されたジャガー・ランドローバーのプレス向け雪上試乗会。周辺にはいくつものスキー場があり、山に入ると雪が多く積もっているはずが、2月にもかかわらず雪ではなく雨が降るという状況で行われました。

最初の試乗車は「ベイビー・ジャガー」というキャッチコピーを掲げて登場したジャガーE-PACE。

レンジローバー・イヴォーク、ディスカバリースポーツとプラットフォームを共有するジャガーE-PACEはFFベースの4WDで、雪上でも安定した走りを披露してくれます。最低地上高は204.2mm(欧州値)、最小回転半径は5.6m。

グレードは2.0L直列4気筒ターボを積む「R-Dynamic SE」で「ガソリンP250」と通称されています。249ps/365Nmのスペックとスムーズな変速が自慢の9ATにより、長野駅から白馬までの郊外路や山岳路でも楽に走破できるパワーフィールが確認できました。

ドライの舗装路では、かなり引き締まった足まわりによるハードな乗り心地ですが、雪道になると雪の上からでもしっかりしたロードインフォメーションが伝わってくるという頼もしさを感じられます。

試乗車が装着していたタイヤは「ContiVikingContact6 (コンチ・バイキング・コンタクト・シックス)」で、タイヤサイズは235/55R19。横滑り防止装置との連動効果に重点をおき、ドライから雪上、氷上まで高いグリップと転がり抵抗低減、耐摩耗性にまで配慮されたスタッドレスタイヤです。

コンチ・バイキング・コンタクトは「7(セブン)」まで登場していますが、「コンチ・バイキング・コンタクト6」でも圧雪路はもちろん、滑りやすいシャーベット、ツルツルに凍った駐車場内などでも安定した走りを可能にしています。

電子制御式マルチプレートクラッチにより前後輪のトルク配分を路面や走行状態に合わせて配分するオンデマンド4WDは、その仕事ぶりを感じさせることはなく、当然ヒヤリとするシーンもありませんでした。

「ベイビー・ジャガー」とはいっても、全長4410×全幅1900×全高1650mmというサイズで、短いのは全長だけで全幅は1.9mもあります。そのため、狭くなっている雪道ではすれ違いなどで多少気を使うものの、Uターンする際などは大型SUVほど神経質にならずに済むのも美点と言えます。

E-PACEの魅力は、SUVでもダイレクト感のあるハンドリング、全長は短くても押し出し感のある顔つき、そして十分な動力性能で、こうした雪道でも安心してステアリングを握れる安心感を有しています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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