2019年のブームは「カッコいいルックス」×「中身は最新」。「ランチャ・ストラトス」「ジムニー」「ロックスター」、それぞれの世界

●往年の名車スタイル、だけど中身は最新式が流行り!?

・ただのレプリカにあらず

先日、私がお手伝いしたのは、有限会社ジェイ・ブランディングの自動車事業部門「UKクラシック ファクトリー」が国内正規販売を行う伝説のラリーカー、英国製ランチャ・ストラトスのレプリカ「the STR(ザ・エスティーアール)」の発表会でした。

「レプリカ」とは、複製品の意味ですが、すでに「ランチャ・ストラトス」は生産・販売を終了しています。それを「ストラトス愛」の強いリスター・ベル・オートモーティブ社オーナーMr.Craing氏が車両開発、FRPボディ製作、シャシー製造、パーツ組み立てまでを自社工場で行い、「現代のランチャ・ストラトスだったら」を想像しながら走行性能とクオリティを加えて作られたものが「the STR」です。「the STR」のクオリティはレプリカの域を超え、実際のラリーにも参戦可能なレベルとか。オリジナルのスペースフレームのシャシーにアルファロメオ166のV6エンジンを搭載。サスペンションにはアルミニウム製のオリジナルサスペンションが採用されています。価格は約1200万円。

また、同会場には「UKクラシック ファクトリー」が輸入する英国「AKスポーツカーズ」が手掛ける「ACコブラ」のレプリカ「AK427」も展示されていました。

これらはもちろん正式な許可を得て製造・販売がされているようですが、オリジナルに近く作られていることと、「欲しいけど走行は楽ちんで快適なほうがいい」というニーズが意外と多いようで、「the STR」にはすでに数件のオーダーが入っているとか。

憧れのクルマや自分だけのオリジナルのクルマを作りたい願望を持っている人は意外と多いのかもしれません。

今年1月からディスカバリー・チャンネルTURBOで放送されている「野生爆弾くっきーの中古車ハンターあらし」も、テーマに合わせてクルマのドレスアップを楽しむ番組ですが、今「ドレスアップ」がまたまた注目を集めている様子。ちなみにこちらの番組へは私も出演させていただいています(毎週土曜日19時~ ディスカバリー・チャンネル/ディスカバリーTURBOにて)。

たとえば2019年の「東京オートサロン2019」では3日間で過去最高33万666名の来場者数を記録しましたが、注目は2018年に発売された「スズキ ジムニー/ジムニー・シエラ」をベースにしたドレスアップ車。「ジムニー祭り」と言っていいほど、ジムニーのドレスアップ車が会場には溢れていました。スズキのオリジナルデザインでピックアップスタイルの「ジムニー シエラ ピックアップスタイル」や「ジムニー サバイバー」も目を惹きましたが、「リバティ・ウォーク」というチューニングショップが「メルセデスベンツG63」風に変身させるキット「LB-ワークス G MINI」を発表して話題に。

新型「ジムニー」も新型「メルセデスベンツGクラス」も去年発売され、どちらも人気のモデルですが、「Gクラス」は欲しくてもなかなか手を出せない超高級車。実用サイズで小回りが利く「ジムニー」をベースに、憧れてはいてもなかなか手が届かない価格とサイズの「Gクラス」のルックスはまさに最強コラボ。とはいえ、これがオフィシャルでOKなのかどうかはわかりませんが。

そして去年末に発表&販売された「ミツオカ ロックスター」。こちらの中身は「マツダ ロードスター」で、そこに1960年代のアメリカ車「コルベット スティングレー」を思わせるグラマラスなルックスがトッピングされたもの。これは「パイクカー」という手法です。「ロックスター」をデザインしたミツオカ自動車のデザイナー青木孝憲氏によれば「自分の気持ちを追求したらこのデザインに辿り着きました」とのこと。これもまた足まわりや乗り心地などは最新の「ロードスタ―」なので安心感があり、そこにレトロモダンなデザインがドッキングして大注目です。

これら3つのパターンの共通点は「カッコイイデザイン」×「中身は最新」。基本の走行性能や安全性能をクリアしたうえで、デザインで遊ぶ。世の中は「自動運転」や「電動化」に向かっていますが、だからこそどこか温かみのある昔懐かしいデザインに惹かれるのかも。そしてこの先、このスタイルは益々盛り上がるかもしれません。

(吉田 由美)