日産の「現代の名工」が語る、GT-Rをカッコよく乗りこなす方法とは?

●R35=トップ・オブ・パフォーマンス&テクノロジー・オブ・日産by「現代の名工」加藤博義氏

【Gの動きを観察し「間」のある運転が大切!】

 

本格的な雪の季節。自動車業界でも毎年1月~2月は雪上試乗会ラッシュです。

その中で日産は、電気自動車の「LEAF」や、エンジンで発電してモーターで走る「NOTE e-POWER」や「SERENA e-POWER 」 などの電気系ファミリーをはじめ、エンジン駆動車、さらにFF/FR/4WDの駆動方式によって挙動の違いを体感するというプログラム。

試乗ラインアップには、日産が世界に誇るスーパースポーツカー「GT-R 」の姿もありました。

「GT-R」といえば先ごろ、大坂なおみ選手がテニスの全米オープン女子シングルスで優勝した直後、日産のブランドアンバサダーに就任しましたが、その就任会見の際、「GT-Rが好き」と言ってGT-Rが急遽プレゼントされたことも話題に。その後、アンバサダー就任を記念した50台限定のGT-Rの特別仕様車「大坂なおみ選手 日産ブランドアンバサダー就任記念モデル」が発売され、その姿は今年1月に開催された「東京オートサロン2019」の会場でお披露目されました。特徴的なのは特別塗装色「ミッドナイトオパール」や、選べる3タイプのインテリアカラー。そしてゴールドのモデルナンバープレートなど。

日産自動車の特別サイトで注文を受け付けましたが、東京オートサロン後に大坂なおみ選手は全米オープンに続いて全豪オープンでも優勝し、ランキングトップになるという嬉しいニュースが入ったこともあるのか、モデルは完売。

今回の雪上試乗会でも、ひときわオーラを放っているのが「GT-R」です。

今回、用意されていたのはオレンジのボディカラーを纏った4WDの「GT-Rプレミアムエディション」。

試乗会場には日産自動車の新車開発に際し、さまざまな試験を担当するテストドライバーの頂点、テストドライバーで唯一「現代の名工」として表彰されている日産自動車 実験開発本部 車両実験部 テクニカルマイスター 加藤博義氏もいらしていたので、GT-Rをカッコよく運転する方法を伺ってみました。

加藤:GT-Rに関わらず、私が思う理想の運転は、「ため」というか「間(ま)」の取り方でしょうか。アクセル、ブレーキ、ハンドル、運転手が操作するときの「間」のことです。
信号での発進の時も、いきなりアクセルをガバッと全開にしてしまうと同乗者の顔が振られてしまいます。ハンドルもブレーキ同様です。「初めチョロチョロ、中パッパ」(←ご飯を炊くときによくこういいますよね)というように前後左右上下の、Gの動き始めを観察し、動きを観察し続けると全体の動きがスムーズになり、同乗者に不快感を与えない=カッコイイ、と思います。私の理想は「新幹線」のような運転です。発進も停止もコーナリングもスムーズですよね。「ハンドル操作が~、とかアクセルが~」とか、印象に残る間はまだまだです。「何かわからないけれどスムーズな運転でした」…こういわれるのが私の理想です。

Q:加藤さんにとってGT-Rとはなんですか?

加藤:R35=トップ・オブ・パフォーマンス&テクノロジー・オブ・日産ですね。

Q:加藤さんが日産車の中でも特に思い入れのあるクルマやエピソードがあれば教えてください。

加藤:私には娘と息子がおります。どっちが可愛い?と聞かれて真顔で答える親はいないでしょう? 私の場合、就業期間が長いので「その数」が膨大なだけです。速いのはR35で決まりですが、NOTEもJUKEもSERENAも、皆スタッフと開発した思い出が詰まっています。

とのこと。クルマ作りの現場はこういう愛情にあふれた方々に支えられているのです。

(吉田 由美)