【トヨタ・ハイラックス 悪路試乗】特別な操作なしでもゴリゴリ進む。世界で求められる理由がよくわかる

●ハイラックスに追加された特別仕様車は、生産国で人気のモデル!?

2017年に日本デビューした8代目のトヨタ・ハイラックス。このモデルに2018年末、特別仕様車『Z”ブラックラリーエディション”』(394万7400円)が追加されています。

今回、この実車をチェックすることができました。また、標準モデルによる悪路走破性能の体感もできましたので報告しますね。

ハイラックスは、全長:5320mm・全幅:1885mm・全高:1800mm、車重:2090kg、ホイールベース:3085mm(いずれもZ”ブラックラリーエディション”)という堂々とした体格を持った、ワールドクラスモデルです。荷台の開口幅は1380mm、前後長は1565mm。最大積載量は500kgとなります。

トラックとして大きな積載量に耐える頑丈な車体を確保すること、そして悪路での高い走破性を担保するためにボディ構造はフレーム式を採用しています。

フロントサスはダブルウィッシュボーン式、リヤはリーフスプリングを使ったリジッドサスとなります。駆動方式はトランスファーを介して前後タイヤに動力を伝えるパートタイム4WD方式が採用されました。

搭載エンジンは2.4L・4気筒ディーゼルターボの2GD-FTV型。最高出力:150ps(110kW)/3400rpm。・最大トルク:400Nm(40.8kgm)/1600-2000rpmのスペックを持ちます。トランスミッションは全車6AT。

なお、特別仕様車のブラックラリーエディションでは、専用のアルミホイールが採用されました。同じく専用のタイヤはホワイトレターのワイルドな表情を持ったものです。

ちなみにこのホワイトレターは塗装したものではなく、白い素材のゴムをはめ込むことで表現できたもの。このため通常のものよりも格段に高い耐久性を持っています。

フロントグリルに関しても下方向に拡大された迫力のある造形の専用品です。これに組み合わされる形でスポーティーな専用バンパーも装着されています。さらに、前後にはブラックのオーバーフェンダーが採用され、全幅は30mm拡大されました。

 

ちなみにこのグリルやバンパー、タイヤなどは、ハイラックスの生産国・タイで『ROCCO(ロッコ)』仕様として販売されているモデルとほぼ共通となります。

実は、日本のハイラックスファンの間では、タイからこのロッコ用パーツを取り寄せて装着する人もいるほどの有名なものでした。今回、日本のディーラーでこの仕様が買えることは大きな朗報なのです。

インテリアも見てみましょう。

シートは前後2列配置となるダブルキャブとなっています。リヤシートに関しては大人が余裕を持って座ることができる空間があります。リクライニング機構こそありませんが背もたれの角度が適正で窮屈な印象はありません。頭上や足元も広々しています。

また座面部分だけを持ち上げるチップアップ機構も搭載されています。ここを持ち上げれば子供用の自転車なら横にそのまま搭載できそうです(Xグレードは一体式のチップアップ。それ以外は6対4分割式)。

ちなみに今回、インテリアをチェックしたのは別売りのTRDパーツを装着したXグレードになります。

ハイラックスのシートは全車ファブリック仕様ですが、Xとそれ以外では表皮素材とカラーリングの組み合わせが異なります。フロントシートはサイドサポートが控えめながら、しっかりと体をフィットさせてくれます。

メーターはアナログの二眼式となっています。

ただしベーシックなXグレードと上級のZグレード、そして今回の特別仕様車ブラックラリーエディションでは盤面の表示内容やデザインがそれぞれ異なります。

エアコン操作パネル右にはトランスファーのモード切り替えスイッチがあり、ここで2駆と4駆の切り替えを行います。

またその下段にはダウンヒルアシストコントロールやリヤデフロック(Z系に搭載)等の操作スイッチが備わっています。

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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