【週刊クルマのミライ】年間4500円の減税が恒久的につづく!? オトクな1.0リッター以下の現行モデル~輸入車編~

●輸入車は以外に選択肢が多い!? 消費税増税にむけてのリッタカー選び

新年早々、アメリカ・ニューヨーク市場で株価が大幅下落。はやくも「アップル・ショック」と衝撃的な呼び名もついています。その影響で東京市場も下落、日経平均株価は2万円を割り込んでいます。この状況が続いたとすれば、2019年内の消費税増税は景気後退につながりそうという見方も出てくることでしょう。

とはいえ、2019年10月に消費税率がアップしてしまうことは既定路線です。そして消費税率が引き上げられた対策として、そのタイミングで新車を購入した自動車ユーザーの負担する自動車税については最大4500円が恒久的に引き下げられる方針であると報じられています。

ただし、4500円の減税が期待されているのは、1.0リッター以下(現在の自動車税は2万9500円)だけというのが報じられている内容。排気量が大きくなるにつれ、減税額も減る予定となっています。つまり、もっとも減税のメリットを受けることができるのは「リッターカー」というわけです。

国産では1.0リッター以下のエンジンを積む新車を用意しているのはトヨタ/ダイハツとスズキだけですが、ダウンサイジング・トレンドで先行する輸入車では意外にも「リッターカー」の選択肢は豊富です。ドイツ、フランス、イタリア各国で生まれた日本で買える(正規販売されている)リッターカーをチェックしてみましょう。

【フォルクスワーゲン・アップ!】

フォルクスワーゲンの最小モデル「up!」は軽自動車より、ちょっとだけ大きいボディ(全長3610mm、全幅1650mm)に排気量999ccのエンジンを載せたAセグメントのコンパクトカー。日本上陸は2012年とけっして新しいモデルではありませんが、2017年のマイナーチェンジでアピアランスをリフレッシュしたこともあり、最新のフォルクスワーゲン・ファミリーの顔となっています。

エンジンはNAのみで、最高出力は55kW(75PS)と控えめながら、独特のフィーリングを持つ5速ASG(MTベースのシングルクラッチ・トランスミッション)との組み合わせでキビキビとした走りを実現します。もっとも、このセミATといえるトランスミッションは慣れを要求するタイプですので、オーナーになるなら、その点は十分に理解しておきたいポイントでしょう。メーカー希望小売価格が消費税込み159万9000円〜となっている手頃さも魅力です。

【フォルクスワーゲン・ポロ】

2018年3月に日本導入された6代目のフォルクスワーゲン・ポロ。そのメイングレードが積むエンジンは、ダウンサイジングターボの第一人者らしい1.0リッター直列3気筒ガソリン直噴ターボを搭載しています。最高出力は70kW(95PS)、最大トルクは175Nm。トランスミッションは効率に優れた7速DSG(ツインクラッチ・トランスミッション)で、カタログ燃費は19.1km/L(JC08モード)となっています。

Bセグメントながらグローバルモデルらしく全幅が1750mmとなっているため3ナンバーとなりますが、現在の自動車税はエンジン排気量だけを基準としているので、立派にリッターカーといえる一台です。メーカー希望小売価格は消費税込み209万8000円〜。十分に国産車と比べられる価格帯となっています。

【ルノー・トゥインゴ】

1.0リッター3気筒NAエンジンと、0.9リッター3気筒ターボエンジンという2つのパワーソースを用意するフレンチコンパクトが「トゥインゴ」。しかも、そのエンジンは車両のリアエンドに搭載されているというRRレイアウトとなっているのが特徴です。トランスミッションは5速MTと6速DCTの2種類で、NAエンジンはMTだけの設定。ターボエンジンでMTが選べるのはスポーティグレードの「GT」だけとなっています。

メーカー希望小売価格は消費税込み177万円〜239万円。キャンバストップのグレード設定もトゥインゴのキャラクターには合っているといえるでしょう。

【ルノー・ルーテシア】

前後の燈火類が未来的な雰囲気を醸し出す「ルーテシア」は、ルノーのBセグメントモデル。中心グレードは1.2リッター4気筒エンジンを積んでいますが、エントリーグレードであり、マニアも喜ぶ5速MTだけの設定となる「ZEN」グレードには0.9リッター3気筒ターボを積んでいます。このグレードを選べば、1.0リッター以下の自動車税となり、減税のメリットを存分に享受できるというわけです。

ZENグレードのメーカー希望小売価格は消費税込み204万円と、価格面においては国産車と同じ感覚で検討できるモデルとなっています。

【フィアット500】

日本上陸から10年以上となるフィアットのエントリーモデルにして、最人気モデルが「500(チンクエチェント)」。NAエンジンは1.2リッターですが、『ツインエア』と呼ばれるフィアットだけの2気筒ターボエンジンは、排気量875ccと余裕のリッターカー。2気筒エンジンらしいクセはありますが、最高出力63kW(85PS)とパフォーマンスは十分なものです。

カタログモデルは5速のRMT(ロボタイズドマニュアルトランスミッション)だけの設定ですが、特別仕様車として5速MTと組み合わせた『500S Manuale(チンクエチェントエス マヌアーレ)』が限定100台で発売中。この特別仕様車のメーカー希望小売価格は消費税込み241万円です。

【スマート・フォーツー/フォーフォー】

メカニズム面ではルノー・トゥインゴの兄弟車といえるスマート・フォーツー/フォーフォーも輸入車のリッターカー。ダイムラーのコンパクトカーブランドとして20年以上の歴史を重ねてきたスマートですが、2019年3月までの期間限定「ミッキーマウス・コラボモデル」とブラバス仕様だけのラインナップとなっています。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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