【リシャール・ミル サウンド・オブ・エンジン】クルマは「音」で魅了! 実は裏(?)プログラムが凄かった

■音で楽しむリシャール・ミル サウンド・オブ・エンジン」

・数千万円の時計「リシャール・ミル」がセレブに売れてる

レースやクルマの魅力のひとつは、スピードなどのほかに、そこにいなければ迫力が伝わらない「音」の楽しみがあります。日常生活において大きな音は騒音ですが、サーキットでレースを観戦する場合には、「音」の演出は必要不可欠。気分を高揚させ、レースを盛り上げます。クルマのエンジンの排気音(エキゾースト)はそれぞれ違い、たとえばフェラーリは甲高い音が特徴的だし、「マツダ787B」も高めの音、かと思えば日産系は低めなど、それぞれ音色が違います。好きな人だと、なんのマシンの音なのか音を聞いただけでわかる人もいるぐらい。

そんな「音」の魅力を満喫できるイベントが2018年11月17-18日、三重県・鈴鹿サーキットで開催されたイベント「リシャール・ミル サウンド・オブ・エンジン」。このイベントは今年2018年で4回目、リシャール・ミルが冠スポンサーになってからは3回目の開催だとか。

「リシャール・ミル」はスイスの超高級腕時計ブランドで、コンセプトは「腕時計のF1」。軽量で壊れにくい、チタンなどで作られていて価格は数千万円。希少性も高いのですが、これが今ドキのセレブに人気で売れに売れているという…。

・F1、グループC、2輪ヘリテージなどが勢揃い

もともとの「サウンド・オブ・エンジン」は、ヒストリックカーの祭典。今年は東アジアで初開催となるクラシックF1のレース「マスター・ヒストリック・フォーミュラ1」の公式レースが行われたり、1980年~1990年代に「ル・マン24時間レース」などで人気のあった「グループC」、歴代の人気F1マシン、60年代のプロトタイプの製造されたロードマシンなどが続々とサーキットを走ります。ほかにも二輪車のヘリテージマシンも多数登場。

「マスター・ヒストリック・フォーミュラ1」は年代によって4つに分けられ、1988年~72年のマシンを対象にした「スチュワート・クラス」、1972年以降の「フィティパルディ・クラス」、グラウンドエフェクト・マシンを対象とする「ヘッド・クラス」、1983~85年の「ラウダ・クラス」で合計22台の往年の人気F1マシンがエントリーしてのガチンコレース。

1982年~1992年の世界選手権で活躍した「グループC」では、日本車初のル・マン優勝車「マツダ 787B」、デイトナ24時間レースで優勝した「ニッサン R91CP」など日本でもなじみがあるマシンはもちろん、今回の目玉のひとつリシャール・ミルの共同設立者ドミニク・ゲナが所有&ドライブする「プジョー905」なども。

ほかにもミハエル・シューマッハの「フェラーリ F2005」やフェルナルド・アロンソの「フェラーリ F10」、中嶋悟氏の「ロータス 101」、片山右京氏の「ヴェンチュリLC92」などなど。

これらの実車はもちろん、その音量と音色は「サウンド」と呼ばれてそれぞれに個性があり、迫力があります。これは残念ながら現地に来ないとその迫力は伝わらないので、ぜひ機会があれば一度その迫力を体験してみてください。

・「リシャール・ミル」オーナーの愛車でのパレードがスゴい!

しかし実はこのイベントにはもうひとつ楽しみ方があります。

それが「リシャール・ミル トラックアクティビティ」というプログラム。リシャール・ミルのオーナーが愛車でサーキットを走るパレードランです。鈴鹿のレーシングコースといえば、F1マシンも走るレース好きにはたまらない聖地。そしてオーナーカーが凄い! 確かに1本軽~く1千万オーバーは当たり前のリシャール・ミルの時計を所有するオーナーのクルマですから、そちらも見逃せないのは当たり前。

私は今回「パレードに出ますが、同乗しませんか?」という知人に誘われて同乗することになりましたが、乗ったクルマが世界販売918台の「ポルシェ918スパイダー」。海外モーターショーぐらいでしか見たことがありませんが、日本には30台ほどあるとか。そんな希少なクルマがこの時、2台も来ているという。パレードの前にパレードランに参加するクルマがパドック裏に並んでいましたが、「アストンマーティン」「ランボルギーニ」「フェラーリ」「ロールスロイス」などなど世界のスーパースポーツカー100台以上。こちらは現代のセレブカー大集合! まるでこれは「裏サウンド・オブ・エンジン」です。オーナーのクルマを見るだけでもテンションが上がります。さらにペースカーが「マクラーレン」で、車列の中からスピードを出しそうなクルマの前に先導車を入れるようですが、私たちのクルマの前に見事に入られました(笑)。

1周約5.8kmのコースをストレート3周も走らせる「リシャール・ミル トラックアクティビティ」。私はこれに参加して確信しました。実はこのイベントの「裏」メインはこのプログラムだと。しかしリシャール・ミルのオーナーも愉しめ、そのクルマを見た観客も喜ぶ、どちらにとっても楽しめるこのイベント。ただ私が気になったのは、この「リシャール・ミル トラックアクティビティ」の参加車両の総額と、参加者が腕にしているリシャール・ミルの腕時計の総額はいくらだったのかと…。庶民ですみません(汗)。

(吉田 由美)