【新型デリカD:5 試乗】3列目がなぜ広いのか? 秘密は専用設計のリヤサスにありました

新型デリカD:5では大胆にイメージが変更されたフロントやリアデザイン、刷新されたインパネなどに注目が行きがちです。しかし、ここで従来からこのデリカD:5が持っている美点をチェックしてみましょう。

それはすっきりとスクエアで広い3列目シート周りの空間です。まず3列目シートへの乗り込みは、飛び道具的要素はありませんが非常に簡単です。

2列目シートの座面をチップアップして前にスライドさせてやれば、大型のスライドドアによって大きな乗降口が確保されるからです。

3列目シートはヒザ前も、頭上の空間も、そして肩周り空間も非常に広いです。

またこの空間は突起が抑えられたスクエアな形状となっているのが特徴で、視覚的にも開放感があふれるものです。部屋の模様替えでうまいことカラーボックスを移動したら、部屋が広々した、みたいな(違うか?)。

このスペースは5ナンバーボディが基本となっているミニバン等とは、明らかに一線を画す広さを持っています。それは全長が4800mm、全幅が1795mmと5ナンバーサイズを超えたボディによるところはとても大きいのですが、実はそれ以外にも設計時点である秘密が仕込まれています。

それはサスペンションの配置です。フロントがストラット、リアがマルチリンクというサスペンション形式はプラットフォームの基本が初代アウトランダー系と同じです。

ただしアウトランダーではリアサスペンションにおいてショックアブソーバーとスプリングが同一軸で配置されています。

これに対してデリカD:5ではショックアブソーバーの内側にスプリングを配置する専用設計としました。

これはフロアへの出っ張りを抑え、3列目シート周りの空間を大きく確保するためです。この専用設計が施されたことによりデリカD:5のリア部分の床面は低く、そしてフラットにすることができました。

結果、後席の居住性はもちろんのこと、3列目シートを跳ね上げて荷室として使う際にも使い勝手の良いスペースが生まれたというわけです。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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