国内初!EVから送電線に電気を供給する「V2G」実証実検が愛知県でスタート

愛知県豊田市において、豊田通商と中部電力が国内初となる「V2G(ヴィークル・トゥ・グリッド)」の実証実験を開始しました。

出力が不安定な太陽光や風力など再生可能エネルギーの普及が進むなか、V2Gは「調整弁」として注目されている技術で、電力の供給量や出力のばらつきを抑える手段として注目されています。

同実験は再生可能エネルギーの安定供給を目的に、経済産業省の補助事業の一環として実施されるもの。

再生可能エネルギーは天候によって発電量が変化するため、電力安定供給の課題になっていますが、同システムでは太陽光発電で余った電力をEVに蓄えておき、発電量不足時に電線に送電することで安定的な電力供給を目指しています。

具体的には2台のEVを豊田通商が米ヌービー社と構築した充放電器に繋ぎ、制御システムの指示に基づき実際に充電や放電を行って送配電網に送電、V2Gが電力系統に与える影響を確認するそうです。

実験は2018年11月14日〜16日、及び12月12日〜14日の2回に渡り実施予定で、両社では今回の実験結果を踏まえ、来年2月までに報告書を提出する計画。

再生可能エネルギー発電は世界的に導入が進みつつあるものの、天候により発電出力の変動があることや、需要を超える余剰電力を発生させることが課題となっており、EVなどの車載蓄電池を活用するV2Gがこれらの課題を解決できる技術として期待されています。

両社では本実証試験の結果をもとにV2G活用に向けた課題等を纏め、来年2月に資源エネルギー庁へ報告書を提出するそうです。

Avanti Yasunori

【関連リンク】

中部電力 https://www.chuden.co.jp/

豊田通商 https://www.toyota-tsusho.com/

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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