今期の売上高30兆円目前ながらも、トヨタ自動車が抱える厳しい懐事情とは?

トヨタ自動車が11月6日、2019年3月期(2018年4月‐2019年3月)の連結業績予想を上方修正しました。売上高が前年度を上回る見通しとなり、当初予想の29兆円(前年度比‐1.3%)から過去最高となる29.5兆円(同+0.4%)に引き上げ、「30兆円」の大台に迫る状況に。

欧州でHVの販売が伸び、タイやインドでも販売が好調だったことから、2018年9月中間連結決算についても、増収だったそうです。

一方、新聞報道などによると、同社はこの先自動車産業が変革期を迎えるにあたり、ビジネスモデルの転換(ソフトバンクとの提携等)に加え、既存事業の収益力強化を必要としている模様。国内市場の販売台数低下や、北米での原材料価格上昇、中南米の通貨安などで営業利益が落ち込んでおり、日産・ホンダに対して遅れをとっている中国市場での販売拡大が必要な状況とか。

今後も自動運転車やEV開発等に伴う投資も嵩むことから、北米市場向けHV用パーツの現地生産化など、各種対策を検討しているようで、当面、営業利益確保に向けた厳しい舵取りが続くようです。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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