ディーゼル・デミオの2位獲得の秘訣はクリーンな走り!? 第5戦までノーペナルティーを継続中【スーパー耐久2018 第5戦 もてぎ】

9月23日に決勝レースが行われたピレリスーパー耐久シリーズ2018 第5戦 MOTEGI SUPER TAIKYU。

1500cc相当のコンパクトカーで争われるST-5で2位に入ったデミオディーゼル「DXLワコーズNOPROデミオSKY-D」は、実はある記録を更新し続けているのです。

それは今シーズン、ノーペナルティーを第5戦まで維持し続けていること。ちなみにST-5クラスでノーペナルティなのはDXLワコーズNOPROデミオSKY-Dだけです。

スーパー耐久などの耐久レースはレース時間が長いため、他のカテゴリのレースに比べてペナルティを受けやすいという特徴があります。黄旗による追い越し禁止区間での追い越しやバトルになったときの接触などレース中においてペナルティーの原因は数多く潜んでいます。

またピットロードでの作業ではマシンに触れていいメカニックの数も制限されてますが、ひとつの作業から次の作業へ移行する際に触れていい人員以外がうっかりマシンに触れてしまいペナルティとなってしまうこともあります。

いざペナルティを受けてしまうとドライブスルーペナルティでもロス時間は40秒以上。ペナルティーピットストップを与えられてしまうとそのペナルティーの内容により10秒から90秒がドライブスルーペナルティーのロス時間に加算されることとなります。このロス時間はサーキットによっては周回遅れになることもあります。

絶対的なパワーが他のライバルに比べて圧倒的に少ないデミオディーゼルは燃費やコーナーリングスピードなど、あらゆる無駄を省くことによりこれまで上位をキープしており、現在では年間ランキングの3位争いをしている状態です。

このあらゆる無駄を省くということはペナルティーによるタイムロスも省くということで、ピットでの作業手順やレース走行中のマナーまで含めてチームの方針と作戦が徹底されているのです。

同じくクラスのライバルチームがペナルティを大量に受けたのは富士24時間レースでのこと。レース時間が長いうえにピット作業でのルールが通常のシリーズ戦と若干違うなどミスを誘いやすい状況であったことは否めません。しかしそんな中でもDXLワコーズNOPROデミオSKY-Dは一切のペナルティーを受けることなく24時間レースで2位表彰台を獲得しています。

第5戦のもてぎまでペナルティを受けていないということで、そのマナーのよさが注目されだしたDXLワコーズNOPROデミオSKY-D。このまま最終戦もノーペナルティーを貫いてシーズン完全ノーペナルティーを達成してもらいたいと考えます。

ピレリスーパー耐久シリーズ2018は11月3、4日に開催される次戦の岡山が最終戦となります。2つにグループ分けされたクラスがそれぞれ3時間レースを戦う最終戦。スプリントチックなハイスピードレースになると予想されることから白熱した展開は必見でしょう。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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