【キャディラックXT5クロスオーバー試乗】キャディラックでファミリーカーという贅沢で優雅な選択

キャディラックはアメリカをいや世界を代表するプレミアムブランドです。今でこそ、メルセデス・ベンツに押されている印象ですが、戦前から戦後、そして高度成長期に高級車と言えば、ロールス・ロイスかキャディラックが代表的なモデルでした。

今回試乗したXT5は、そんなプレミアムブランドのキャディラックのSUVです。先日、フェラーリがSUVのカテゴリーに参入することが発表され、ついに「フェラーリよお前もか」と言われたものですが、キャディラックブランドのSUVへの参入は1999年のエスカレードからとかなり早いものでした。

 

XT5は従来販売されていたSRXの後継に当たるモデルです。SRXは2代にわたり製造されたので、キャディラックのミドルクラス・ラグジュアリークロスオーバーとしては3世代目となります。

全長4825mm、全幅1915mmのボディは日本で乗るには大きなサイズですが、郊外路ではさほど大きさを感じることはありません。それは車高が1700mmとたっぷりとあり、視界が開けているからにほかならないでしょう。

搭載されるV6エンジンは374馬力/368Nmで、1990kgの車重に対して十分なものです。アクセルペダルをグイッと踏み込めば、かなり力強い加速を得られます。エンジンを回してパワーを得るというよりも下からわき出るトルクの波に乗って走る感覚が気持ちのいいものです。

高速道路での試乗ではゆったりと優雅な走りを体験できます。この感覚がなによりもXT5の魅力といえます。ワインディングのような道では大きなロールが気になりますが、高速道路ではこのロールは気にならず、ゆったりした感覚となるのです。

ありとあらゆるシチュエーションで満足するクルマを作るのは現実的には不可能なもので、どこかで帳尻合わせをするものです。XT5はその帳尻合わせを行わず、高速道路や郊外路での気持ちいい走りを重視したセッティングだと言えます。もちろんワインディングで不安のあるような走りはないことは付け加えておきます。

ちょっと残念なのがレーンキープの性能。左ハンドルモデルしか用意されていないXT5ですから、もう少しキッチリとレーンキープが働いてくれるとドライブがイージーになるという印象が残りました。

(文・写真/諸星陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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