軽井沢マダムに人気のメルセデスベンツCクラスの進化

少し前に開催されたメルセデスベンツ新型Cクラスの発表会はとにかく凄かった!

新橋演舞場を借り切って歌舞伎とコラボしたプレゼンテーションを行うという力の入れよう。しかもこれがフルモデルチェンジではなく、マイナーチェンジでここまでやるとは。・・・つまり、メルセデスベンツにとってCクラスがそれだけ重要なモデル、ということなのでしょう。

Cクラスといえば1982年に発売された「190クラス」の進化系。ちなみに190といえば、当時は「コベンツ」と呼ばれていましたが、よく考えてみると「コベンツ」の「コ」は、「小」? それとも「子」? どちらにしても小さいベンツ「190」の発売は、バブルの追い風を受けて売れに売れまくり。若い女性でも乗れる小型ベンツは当時、大人気でした。

それが1993年に「Cクラス」として登場し、2014年から発売されている4代目Cクラスは、日本では累計約6万9000台を販売する大ヒットモデルに。

その「Cクラス」が今回マイナーチェンジ。メルセデスベンツ日本は「フェイスリフト」と呼んでいますが、変更部品は約6500点。デザインもバンパーなどが変わり、中でもライト系はSクラスと同じ片側84個のキラキラなヘッドライト「マルチビームLEDヘッドライト」を採用。リアも「C」の文字がモチーフになっています。

またインストゥルメンタルクラスターは今ドキな液晶タイプ。エンターテイメントには12.3インチのワイドディスプレイを採用。アンビエントライトはSクラスなどと同様に64色から選べます。全体的に「高見え」するようになりました。

中でも大きな変更点は4つのパワートレーンを刷新したこと。

そんな新型Cクラスの試乗舞台は秋の軽井沢。最近、またまた軽井沢は人気のスポットのようですが、この時期、紅葉には少し早く、朝晩は少し冷えてきました。しかしお散歩やオープンカフェでのランチにはピッタリの季節。さらに軽井沢といえば、やたらと「メルセデスベンツ」目撃率が高い地域でもあります。車種はバラエティに富んでいますが、吉田由美調べでは7台に1台はメルセデス(笑)! なぜか軽井沢を訪れる人はメルセデスがお好きな様子。

その中でもメルセデス濃度が高かったのがCクラスの試乗会が行われた「ルグラン軽井沢ホテル&リゾート」。今年7月にオープンしたばかりのホテルで7万坪の広い敷地に欧州風の建物、ミシュラン1つ星シェフが作り出す絶品お料理、そしてサービスが自慢。さらに天気がいいと浅間山を正面に臨むことができ、私が訪れた日はまさに浅間山日和。建物をバックにCクラスの写真を撮っていると、ホテルの方に「浅間山がこんなにきれいに見えるのは珍しいですよ」と教えていただき、慌てて浅間山バックの写真を撮影。確かに今週、晴れたのはこの日一日だけらしく、素敵な写真が撮れてラッキー!

ちなみにここには16台+αもの新型Cクラスが用意されていました。

そして2日間で私は4台の新型Cクラスに試乗したのです。

まずはクリーンディーゼルエンジンの「C220d ステーションワゴン アバンギャルド」。

Eクラスにも採用されている2.0L直列4気筒ブルーテックエンジンが搭載されています。

こちらにはメルセデスベンツが開発したエンジン内部の表面コーティングNANOSLIDEを導入することで摩擦が低減されているとか。かなりエンジン音も静かで振動も少ないのですが、個人的にはエンジンONの時に時間がかかるのが気になります。

次に試乗したのは「メルセデスAMG C43 4MATICク―ぺ」。

従来よりターボを大型にし、制御を改良したことで出力は23psアップの390psに。さらにAMGの4輪駆動システム「AMG 4MATIC」により安定感を確保。

ドライブモードに「エコ」モードの設定が無いのもパフォーマンス重視のAMGらしいですね。

そしてここでブレークして2日目。

まずはスタンダードモデル「C180 アバンギャルド」。1.6Lのガソリンエンジンで156ps 。

ちなみにこのクルマには電子制御の「アダプティブダンピングシステム付きコイルサス」が搭載されていたようですが・・・うーん。これは正直、よくわかりませんでした。

そして最後は「C200アバンギャルド」。

新開発の1.5L直列4気筒ターボエンジンとベルトを介してつながるスターター兼ジェネレーター「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」と「48Vの電気システム」が搭載されているハイブリッドモデル。ブレーキをかけると発生するエネルギーを回収し、作られた48Vの電気をリチウム電池に蓄電。それをアシスト用のモーターに使用したり、加速時や変速時にも使用されます。確かにエンジン始動時でも静かで、シフトショックはほとんど感じません。

気になるのはメーターパネルに「EQ」と書かれた文字。「チャージ」の方向に色がついているときは回生を。「パワー」方向であれば加速などを行っているのですが、下り坂や停止の時になると表示が出ない状態に。これは「エコモード」の時にアクセルから足を離すとエンジンが停止する「コースティング機能」中という意味。これも低燃費に貢献しているようです。

これら新型CクラスにはSクラス並みの運転支援機能、アップデートした「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」が搭載されています。また、高速道路で「アクティブステアリングアシスト」をセットしてウインカーを点滅させると「アクティブレーンチェンジアシスト」が周囲の安全を確認して自動で車線変更してくれる、といった装備も搭載されています。

それにしてもこの新型Cクラスは、トピックがいっぱい。確かにこれはメルセデスベンツとしてもフルモデルチェンジ並みの発表会&試乗会を行うのも頷けます。

個人的には、カブリオレに試乗できずに残念でしたが、今回の新型Cクラスも選択肢がいろいろ。これはまたしても軽井沢マダムのハートを掴みそうですね。

(吉田 由美)