【アウトランダーPHEV・2019年モデル試乗】2.4Lエンジンでさらなる静粛性を得た「スポーツできる」SUV

2012年に登場したアウトランダーPHEV(全長4695mm・全幅1800mm・全高1710mm/2.4L NAエンジン+ツインモーター・AWD)が大幅変更を受けて2019年モデルとなりました。

今回の大規模マイナーチェンジでは、ヘッドライト内部やグリル、前後バンパー下部やホイールなどの造形変更のほか、フロントシート造形と表皮変更(一部グレード)などの内外装が変更されています。

 

またエンジンの排気量アップ、バッテリーの大容量化、さらにリヤモーターを高性能化(10psアップの70ps・フロントは60ps)するなど、プラグインハイブリッドシステムの構成するパーツのうち約90%に手が加えられています。

ボディのセンターフロア下部にセットされたバッテリーの容量は12kwhから13.8kwhに拡大し、出力も向上させました。またジェネレーター出力も1割アップさせたことによってEV走行時の航続距離は60.8kmから65kmにアップしています。

エンジンはこれまでの2L直列4気筒NAから2.4L直列4気筒NA(128ps/4500rpm)へと変更されています。これは単純なエンジン出力の向上というよりも、より低回転で余裕ある発電を行うことによって車両全体の静粛性を高める狙いがあります。

今回、リヤモーターの出力を向上させるとともにこの車両統合制御システムS-AWCにスノーモードとスポーツモードの追加をしました。

スノーモードはその名の通り雪道などを走行しやすくするもの。アクセルの踏み込み量に対してより穏やかなモーター出力特性とすることで「抜き足・差し足」をするように、より確実に走破することができます。

スポーツモードでは旋回時にしっかりとヨーが立ち上がりやすくなりつつ加速力も向上させています。

このスポーツモードの制御はソフトウェアの変更だけでは達成できず、リヤモーターの出力アップがなされたこととの組み合わせで実現したものだということです。

実際に試乗してみると、エンジンの大排気量化による恩恵は確かに感じ取ることができます。

従来はエンジン停止状態でのEV走行からエンジンが始動すると、その音のギャップを体感することも多かったのですが、今回のモデルではエンジンの音を意識することはかなり少なくなりました。

2019年モデルではラゲッジルームの開口部や前後ドア周りのボディパネル接合部分に構造用接着剤が追加されたことで、車体剛性がアップしています。同時にリアのショックアブソーバーのサイズをアップ(Sエディション除く)することなどで根本的な運動性能の向上にも努めていることがニュースです。

アウトランダーPHEVは今回のマイナーチェンジによって、より鮮明にスポーツできるSUVというカラーを打ち出してきました。

(写真/前田惠介 写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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