【週刊クルマのミライ】スバル・フォレスターに初採用された「e-BOXER」の横展開に期待大

スバル・フォレスターがフルモデルチェンジを発表したのは2018年6月ですが、初期受注で4割を占めるという新パワートレイン「e-BOXER」を積むアドバンス・グレードの発売が始まったのが9月14日。というわけで、過去にクローズドコースでプロトタイプに試乗したことのあった2.0リッターガソリン直噴エンジン+小型モーターで構成されるスバル独自のハイブリッドシステムの走りを公道で味わうことができました。

先代インプレッサ系に2.0リッターハイブリッドを用意していたスバル、「e-BOXER」と命名された新システムは、その正常進化版といえるもの。モーターの基本構造はそのままですが、エンジンは直噴化していますし、バッテリーもリチウムイオン電池になっています。

とはいえ、モーターの最高出力は10kWですから、電動車両という雰囲気はありません。逆に、モーターの存在感を消しつつ、走り出しや中間加速などエンジンの苦手な領域をモーターのトルクが巧みにカバーするといった仕上がり。ある意味で忍モーターといえるでしょう。

「e-BOXER」というアルファベットではモーターを示す”e”に対して水平エンジンを示す”BOXER”の文字比率が1:5となっていますが、たしかにパワートレインにおけるモーターとエンジンの存在感はそういったイメージかもしれません。あくまでもエンジンが主役でモーターはアシストといえるでしょう。もっとも、この表現を聞くとちょっと古いタイプのハイブリッドカーを思い浮かべてしまいますが、スバルのe-BOXERは、ハイブリッドとしてアピールはしていません。あくまでも、ハイブリッド技術を使って、ボクサーエンジンの新しい一面を引き出そうという新世代パワーユニットといえます。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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