新型フォレスターをスバリスト目線で徹底チェック!ターボモデルのニーズを満たすのはどのモデル?【試乗編】

いよいよ待望のe-BOXERを搭載した「Advance」が正式発売を開始した新型フォレスター。既に発売中の2.5Lモデルとe-BOXER搭載車を公道で試乗してきました。

2.5Lモデルは直噴化されたFB25を搭載し、ゆとりあるトルクで1500kgを超える車体をグイグイと走らせます。従来モデルでは2.0LNAエンジンを中心としたラインアップで500ccプラス直噴化によるゆったりとしたトルク感に従来モデルから車格が一格上がった印象を受けました。

2.5Lモデルはなによりその軽快感が魅力で、SUBARU初となるアルミ製フロントフェンダーや国内仕様のSUBARU車では初採用のフル樹脂製給油口といった並々ならぬ軽量化技術、さらにSGP=SUBARU GLOBAL PLATFORMの採用とレヴォーグやWRX S4でもお馴染みの「アイサイトツーリングアシスト」により、どこまでも快適に走ってしまえる印象でした。

受注状況では4割を占めるというe-BOXER搭載車は、2.0L水平対向エンジンにモーターを加えたパワートレーン。モーターアシストならではの中間回転領域でのピックアップの良さが光り、社中では2.5Lモデルより100kg近く重くなっているものの、SUVというキャラクターにいい意味で重量感を与えてくれます。

また、モーターの制御を刷新したことでSIドライブのSモードではきびきびとした走りをすることも可能。またマルチインフォメーションディスプレイにはSモード時にモーターの仕事率が表示される遊び心もe-BOXER搭載車ならではのギミックです。もちろん街乗り領域では積極的にEV走行をしてくれるので、日常使いでは燃費面でも有利となります。

「Advance」は車体価格で2.5Lモデル最上級グレードの「Premium」より約7万円ほど高く設定されていますが、実際に見積もりを取ると乗り出し価格では減税などの恩恵を受けられることでその差は約4000円に縮まります。そして「Advance」のみに装備される「ドライバーモニタリングシステム」が装備される点や、ランニングコスト面でも毎年の自動車税や街乗りでの燃費面でも有利なこともあり個人的には購入を考えるとe-BOXER搭載の「Advance」をチョイスしたいところです。

フォレスターといえば、初代モデルから一貫してターボエンジン搭載車があり、走れる快速SUVのイメージが強い印象ですが3代目からは車高も高くなり、オンロードSUVからグッとアウトドアの似合うイメージへと変わりました。

ライバルモデルと比較すると圧倒的な走行性能を誇るフォレスターですが、2代目までのオーナーからはあのオンロードで吸い付くように走る他にはない走りが魅力!という声もよく聞きましたが、今回の新型フォレスターはSGPの採用などにより、先代までと同じコンセプトながら、走りは初代、2代目のようなフットワークの良さが帰ってきた印象です。

実はつい先日、先代フォレスターオーナーの集まるオフ会へ別の媒体のお仕事でお邪魔しましたが、やはり歴代フォレスターを乗り継いでいる人や先代フォレスターの圧倒的なパワーに憧れてターボモデルを購入したオーナーからは、ターボモデルが消えてしまったことを嘆く声も耳にしました。

新型フォレスターの2.5Lモデル、e-BOXERともに街乗りから高速道路まで全く不満の無い動力性能を備えていることもあり、週末には全国のディーラーでの新型フォレスター試乗イベントも開催されていますので、是非試乗してその進化を体感してほしいと思います。

乗り心地も良くワインディングでも気持ちよく走れるシャシー性能は「大切な人を乗せるための高い安全性」に加え、家族のある30代〜40代のお父さんでも決して運転手になることなく、一人でドライブしているときは運転が楽しくなる、走りに満足できるSUVといえるでしょう。

(井元 貴幸)