メルセデス・ベンツ Sクラスにパワフルなディーゼルを積む「S 400 d」を追加設定

メルセデス・ベンツの最高級セダン「S クラス」に、新型直列6気筒のクリーンディーゼルエンジン「OM656」が搭載された「S 400 d」「S 400 d 4MATIC」、全長が130mmストレッチされた「S 400 d ロング」「S 400 d 4MATIC ロング」の4モデルが追加されました。2018年9月10日から受注を開始し、今年10月頃からデリバリーが開始されます。

現在のSクラスは、3.0L V6ガソリンツインターボ、4.0L V8ガソリンツインターボ、6.0L V12気筒のガソリンツインターボ、3.0Lの直列6気筒ツインターボに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたISG搭載モデルなど、出力違いも含めると、多くのエンジンバリエーションが展開されています。

冒頭で紹介した新規グレード「S 400 d」系の4モデルは、コンパクト設計の新型直列6気筒クリーンディーゼルエンジン「OM656」を搭載。高効率なだけでなく、欧州で導入されている「RDE(Real Driving Emission、実路走行試験)」規制に適合するなど、環境性能の高さも特徴としています。

今回追加されたディーゼルエンジンの「OM656」は、「S 450」などに搭載される最新世代の直列6気筒エンジン「M256」などと基本設計を共有。マツダやボルボなど各自動車メーカーが注力している、いわゆるモジュラーコンセプトを採用。

最高出力は340PS(250kW)、最大トルクは700Nmを誇り、同社の乗用車の中で最もハイパワーを誇る最新のクリーンディーゼルエンジンであり、音や振動を抑えながらスムーズな加速を実現しているそうです。

全長をコンパクトに抑えた同エンジンは、シリンダーピッチを90mm、シリンダー間の厚みを8mmとして、多様なモデルに搭載できるのが特徴。軽量化を狙いアルミニウム製が採用されたシリンダーブロックに対し、ピストンはスチール製であるため、熱膨張率の異なる素材により、40%以上摩擦を低減。

ターボは2ステージで、小さいタービンには可変タービンジオメトリーが採用され、低回転域から高回転域まで全域においてトルクフルな走りが得られているそう。

また、ピエゾインジェクターを採用するコモンレール式の直噴システムは、最大圧力2,500barまで高められています。さらに、高圧EGRと低圧EGRが組み合わされた「マルチウェイ排出ガス再循環(EGR)」が搭載され、燃焼の最適化が図られることで、後処理を行う前の段階でNOxを低減することが可能。

さらに、排気側にのみ可変バルブリフトシステムの「CAMTRONIC」を採用。これにより、冷間時の吸気工程中に、排気の一部を燃焼室に戻すことができるようになり、燃焼室内の温度を上昇させることで、排出ガス浄化システムを効率的な温度まで早く暖めることが可能になっています。

3.0L直列6気筒のディーゼルターボエンジンの搭載によりさらに選択肢が増えた現行Sクラス。「S 450 d」は11,160,000円、「S 400 d 4MATIC」は11,600,000円、「S 400 dロング」は14,610,000円、「S 400 d 4MATIC ロング」は15,050,000円です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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