新車のジムニー・ロング、現る! インド生産の「ジプシー」は2代目ジムニーそのものだった

ジムニーといえば先ごろ発売された4代目が大人気ですが、ちょっと待った!

2018年の今、1981年デビューの2代目が新車で買えるってご存じですか? それが今回紹介する2代目ジムニー・ロング版の『ジプシー』なんです。

ジムニー乗りには有名なショップ・アールブイフォーワイルドグース(以下、ワイルドグース)が輸入・販売しているこのMG413W型ジプシーは、インド・マルチスズキが販売しているモデル。

日本での2代目は今から20年前・1998年に生産を終えているのですが、なんと現地ではいまだに新車が生産販売されているのです。

さっそく概要を紹介します。車両の基本は2世代前にあたる、SJ30という型式などが存在した2代目ジムニーがベースになっています。

ホイールベースは軽規格のジムニーに対して345mmプラスの2375mmへと延長。リヤオーバーハングも伸ばした上でボディ上部にはレジントップと呼ばれるボディシェルをかぶせました。

全長は815mm増の4010mm、全幅は145mm増の1540mm、全高は145mmプラスされて1845mmとなっています。

フロント周りでの特徴はかつて日本でも販売されていたジムニー1300や初代シエラと同様にオーバーフェンダーが装着され、横と前方向に拡大されたバンパーを持つことなどです。

サイドから見るとジプシーの特徴が際立ちます。2代目ジムニーとフレームの基本は同一なのですがセンター部分が延長され、リヤオーバーハング部分も伸ばされました。

ボディもドア後端以降の位置が大きく伸ばされていることがわかります。この大きなボディに対して先述のレジントップがかぶさっています。レジントップ後方には大きなウインドウがセットされました。これは前半分がスライド開閉するようになっています。

エンジンは4気筒1298ccのG13BB型。80bhp、103Nmを発生します。

これは1993年登場のJB31型ジムニー1300や1995年11月登場のJB32型ジムニー・シエラに搭載されたものと近い仕様となっています。基本設計は古いのですが、軽自動車規格のジムニー用である550/660ccのターボエンジンと比べてトルクに余裕があることが魅力。現在の交通の流れでも全く痛痒なく走ってくるのがありがたいです。

内部を見てみましょう。まずはラゲッジルームからチェックしていきます。

レジントップのハッチゲートは右ヒンジで横方向に開きます。このレジントップのもたらす荷室部分の内部高は123cmとビッグなのに驚きます。

実はインド現地では、ボディ後半部分に横向きのシートが2列あるため、乗員の頭上空間を確保するためにこの高さが必要なんですね。なお日本仕様では法規要件の関係から、横向きシートはセットできず、前向きシートが2名分セットされます。

この後席は50対50の2分割式でそれぞれシートの背面だけ倒したり、座面部分までまとめて前方に格納することで広大なスペースを生み出すこともできます。

前席やインパネ操作系周辺は2代目ジムニーそのもの(具体的にはSJ30の3型からJA71の2型まで)と基本的に同じものが使用されています。

ただしワイルドグースでは日本で販売するにあたりシートベルト非装着警告灯やヘッドライトレベライザーの追加などの法規対応を行っています。

またインド現地では用意されないエアコンについて、特注の専用品を開発してマルチスズキの現地工場にて装着可能な状態にもしています(オプション装備となります)。

1981年の基本設計となる2代目ジムニーの派生モデル・ジプシー。この超レアモデルをワイルドグースでは税抜き285万円(別途諸費用が必要)で販売しています。

 

今から新車ジムニーを買うのなら、37年以上の歴史があるジプシーを選んでみるのはとても面白いと思いますよ。

(写真・動画・文/ウナ丼)

【関連リンク】

アールブイフォーワイルドグース「マルチスズキ・ジプシー」
https://www.rv4wildgoose.com/jypsy/jypsy_index.html

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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