世界の自動車会社に「自動運転技術」を提供へ。トヨタ系4社が新会社を設立

DENSO(電装品)、アイシン(変速機・駆動部品)、ジェイテクト(ステアリング)、アドヴィックス(ブレーキ)のトヨタグループ4社が、年内を目標に自動運転車用の制御システムを開発する新会社を共同で設立するそうです。

これまで自動車各社は中核技術を囲い込むことで競争力を保ってきましたが、近年は外販を積極化させており、新会社では欧米や中国の自動車大手・新興メーカーなど幅広い企業への外販を目指し、次世代車でデファクトスタンダード(業界標準)となるような技術の蓄積を目指す模様。

自動運転システムの開発競争が世界的に激化するなか、トヨタ自動車は2016年にAIなど、最先端技術を開発する研究所を米シリコンバレーに設立。

同社は高速道路での車線変更を伴う自動運転技術を2020年を目処に実用化しレクサス車に搭載する計画で、2020年代前半には一般道での実用化に加え、エリアを限定して完全自動運転が可能な「レベル4」の技術確立を目指しています。

日経新聞によると、自動運転はライドシェア(相乗り)に加え、物流や商用車での需要が見込まれており、2030年までに米欧中で8,000万台規模の自動運転車が普及する見通しとか。

そうしたなか、新会社はトヨタだけでなく、世界の自動車メーカーに自動運転システム(センサー、半導体、駆動系まで一括)を提供できる態勢を整えることで、同様の動きをみせる独「BOSCH」や「コンチネンタル」、米「Google」、中国「百度(バイドゥ)」等に対抗する考えのようです。

Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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