トヨタ、日産、ホンダが一斉に中国で年産能力向上に動き出した背景とは?

日本車メーカーにとって最重要市場だった米国における新車需要が昨年は8年ぶりに前年を割り込み、加えてトランプ米政権が自動車輸入関税の引き上げを進めるなど、大きな成長が見込めなくなっています。

一方、2010年代に入り、日本車メーカーにとって日米を補完する市場だった中国での販売台数がここ数年間で大幅に伸びており、本年の新車販売も米国の1,750万台前後に対し、中国は3,000万台に達する見込み。

そこで現在、トヨタ、日産、ホンダの3社が一斉に中国での増産投資に動いているようです。

日本車各社は次世代車の開発や自動運転等の最先端分野においても、今後は中国が世界をリードすると見ているようです。

日経新聞によると、トヨタやホンダが中国における年産能力を20%高める計画を進めているそうで、日産も中国に新工場を建設するほか、約1,000億円を投じて既存2拠点を増強、2020年を目処に乗用車の年産能力を30%高める模様。

こうした背景から、日本車各社においては同国で2019年から導入が予定されているNEV規制(一定比率のEV、PHV、FCVの製造・販売義務付け)への対応が喫緊の課題となりそうです。

Avanti Yasunori・画像:NISSAN)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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