【ノートeパワーニスモ ニスモパーツ装着車試乗】ワインディングでベストフィールを発揮。熱きDNAが今、ざわつく

先日、48年ぶりに登録車販売ランキングで1位を獲得した日産のコンパクトカーがノートです。エンジン車も人気ですが、販売台数のけん引役となったのはシリーズハイブリッド車のeパワーであることは疑いありません。

そんなノートeパワーをベースにロードカーとしてチューニングされたモデルがノートeパワーニスモです。今回試乗を行ったのはノートeパワーニスモにニスモパーツが装着された仕様となります。

パワーユニットのチューニングはスポーツリセッティング呼ばれているECM(エンジンコントロールモジュール)の変更によって行われています。ECMという名称ですが当然、モーターやジェネレーターのコントロールも同時に行われています。

乗ってみると加速感が力強くなっているのはもちろんですが、アクセルペダルを戻したときの減速感が強くよりラクラクとワンペダルドライブができます。今回の群馬サイクルスポーツセンターの試乗コースですと70%程度のペースで走ると3カ所くらいしかブレーキを使う場面はありませんでした。

 

ハンドリングには劇的な変化がありました。ノートeパワーニスモの標準車はオープンデフなので、コーナーでロールが大きくなりイン側タイヤのグリップが落ちたほうにばかりトルクが伝わってしまうのですが、試乗車にはヘリカルLSDが装着されていたので、ロールした状態からアクセルを踏んでもクルマが前に進みます。コーナリング時の脱出速度はかなり稼げる仕様でしょう。

かつて日産はサニーやマーチにスポーツモデルを設定してきました。コンパクトカーの主流がマーチからノートに移って、ノートになったときにはスポーティモデルは根絶されたかと思うこともありましたが、そのDNAはきちんと残り、心を躍らせてくれました。

(文/諸星陽一 写真/小林和久、ウナ丼)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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