【ホンダ シビックハッチバック無限パーツ装着車試乗】タイプRに迫る性能向上を狙う無限パーツの実力は?

日本での販売が再開され、じわじわと人気が出てきているのがホンダのシビック。その頂点にはタイプRと呼ばれるスポーツモデルが存在しています。

かつてのタイプRは完全なるモータースポーツベース車両で、街乗りのことは二の次でした。現行タイプRはずいぶんとロードカーよりのセッティングになりましたが、とはいえやはりスパルタン系であることには変わりありません。

タイプRまでは…という気持ちで選ばれているのがハッチバックモデルです。搭載されるエンジンは182馬力の1.5リットルで、ホンダ車らしい軽快に吹け上がるエンジンが気持ちのいいドライブを実現してくれる大人のスポーティモデルです。

このハッチバックの性能をさらに向上するために無限が開発したさまざまなパーツを装着したシビックに試乗しました。

エクステリアでは以下のパーツが装着されていました。
・前後サイドの各アンダースポイラー
・フロントグリルガーニッシュ
・フロントバンパーガーニッシュ
・リヤアンダースポイラー

ホイールはMDCと呼ばれる19インチサイズのものです。MDCは無限・デザイン・シビックを省略した名称で、無限ホイールは1車種で1つのデザインという方向性を採り始めています。

試乗車には開発中のパーツとしてフロントブレーキローター、ブレーキパッド、クイックシフター、スポーツエキゾーストシステム4点が装備されていました。

クイックシフターはシフトレバーまわりのパーツをトレードインするもので、ノーマルでは少し曲がっているレバーも垂直に変更されています。ノーマルでレバーを曲げているのは、ドライバーとの距離を短縮するためですが、ストレートにしたからといって遠く感じることはありませんでした。シフトフィールは手首を返せばシフトできるようなタイプで、重さもとくになく、スポーティな操作性を実現していました。

初期制動力を重視したというブレーキシステムは、ねらい通りにブレーキペダルをちょっと踏み込んだ状態でガッツリと効き始めます。そこから踏み込んでいけば、さらに制動力を増していきABS領域まで持っていけます。

ブレーキ単体で使う場合はまったく問題ありませんが、ブレーキを掛けながらアクセルをあおる、つまりヒールアンドトゥを行う際はちょっと効き過ぎな部分があり、ギクシャクとした動きになってしまいます。ブレーキシステムの問題というよりも、ペダル側の高低差の問題という気もします。

機能パーツについてはまだ開発中ということなので、これからさらに磨きがかかりポテンシャルをアップしていくことでしょう。

(文/諸星陽一・写真/小林和久、ウナ丼)

この記事の著者

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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