【週刊クルマのミライ】軽1BOXの「もっとも過酷な使われ方」とは? ホンダN-VANの開発エンジニアに聞く

ホンダが軽商用1BOXのニューモデルとして「N-VAN」をデビューさせました。ホンダにおいてはアクティの後継モデル、ライバルはスズキ・エブリイやダイハツ・ハイゼットカーゴとなります。

アクティはミッドシップのリヤ駆動、エブリイとハイゼットはフロントエンジン・リヤ駆動のFRレイアウトとなっていますが、N-VANは乗用車由来のFFプラットフォームから生み出された商用バンというのが時代の変化を感じさせます。

とはいえ、乗用車のメインがFFになってから何十年も経っていますが、商用バンがリヤ駆動にこだわってきたのには意味があります。たくさんの荷物を積んだ際にトラクションを確保するのに有利だとか、全長が制限される軽自動車において荷室長を確保するのに有利だからといった理由があるのです。

まさにN-VANは型破りな商用バンというわけです。

もちろん、このチャレンジにおいてはしっかりとリサーチをしています。リアルな要求性能を満たせるかどうかも十分に検討されていることは言うまでもありません。

ですから、最大積載量は軽自動車の規格いっぱいとなる350kg(2名乗車時)を実現しています。基本的には格納することを前提としていますが、ヘッドレストを備えた後席も用意、しっかりと4名乗車としています。FFの軽商用バンとしてはダイハツからハイゼットキャディーという先達がいますが、ハイゼットキャディーが乗車定員2名・最大積載量150kgとなっているのに対して、N-VANはフルスペックを満たしているのです。

さらに開発においては、プロユースの現場からのリサーチも繰り返したといいます。複数の開発エンジニア氏に、そうしたユーザーリサーチの話をうかがったのですが、もっともタフな使い方をしているユーザーのニーズを満たすには、並々ならぬ苦労もあったそうです。

では、軽商用バンにおいてもっとも厳しい使い方をするユーザーとは、どんな職種・業界なのでしょうか?

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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