洞窟と同じく避暑にもなる坑道見学・大谷資料館(栃木)【車中泊女子の全国縦断記】

連日、猛暑日が続いています。筆者が滞在中の北海道・知床でさえ30度を超えるという例年にない気候です。

前回、『渓流釣り堀』や『鍾乳洞』を「避暑地」として再認識したことを記事にしましたが、今回またひとつ、避暑地として『坑道』をご紹介します。

大谷石地下採掘場跡でもある【大谷資料館】です。

栃木県宇都宮市北西部の大谷町付近一帯で採掘される石材「大谷石(おおやいし)」は軽石凝灰岩の一種で、柔らかく加工がしやすいことから外壁や土蔵などの建材として古くから使用されてきました。

地下空間は年間を通して10度ほどと寒いので、上着を持参したほうがいいかもしれません(ブランケットの無料貸出もありますが数に限りがあります)。

一脚・三脚や自撮り棒などを使用しての撮影は禁止、飲食も禁止です。

大谷石は、日本列島の大半がまだ海中にあった新生代第三紀の前半、火山が噴火して噴出した火山灰や砂礫が海水中に沈殿して、それが凝固してできたものとされています。

大谷町付近の大谷石の分布は東西8km/南北37kmにわたり、地下200~300mの深さまであることが確認されており、埋蔵量は10億トンと推定されているそうです。

当時をしのばせる道具類や手掘りの跡もそのままの姿を見学できるほか、芸術作品の展示やチャペルもあります。ライトアップされた幻想的な空間にいると時間も忘れてしまいそうです。

多数のドラマや映画、プロモーションビデオの撮影などにも使用されており、ロケ地めぐりで来る観光客も。異空間のような場内は一見の価値ありです。

【大谷石地下採掘場跡・大谷資料館】
栃木県宇都宮市大谷町909
電話:028-652-1232
駐車場、公衆トイレ、売店、茶屋あり。

・入館料
大人 700円、小・中学生 350円、未就学のお子様 無料。

・開館時間
4月~11月 9:00〜17:00(最終入館16:30まで)
12月~3月 9:30〜16:30(最終入館16:00まで)

・休館日
4月~11月 無休/12月~3月 毎週火曜日(火曜日が祭日の場合は翌日休館)
年末・年始(12月26日~1月1日)

近隣にも採石場跡地などが残存しています。近くを流れる姿川の川底も凝灰岩であり、大谷石の岩山・御止山(おとめやま)、社殿すべて大谷石で造られている大山阿夫利(おおやまあふり)神社、弘法大師みずから大谷石を彫ったと言われているご本尊・千手観音を安置する大谷元観音堂、などなど見どころもたくさんあります。

大谷景観公園や、大谷寺(おおやじ)の【大谷磨崖仏(大谷観音)】(国の特別史跡および重要文化財)、総手彫りの平和観音(像高26.93m、胴回り20m/写真)にも無料駐車場とトイレがあります。あわせて見学に訪れてはいかがでしょうか。

(松本しう周己)

【関連リンク】

夏休み、子どもと一緒に遊べる避暑地といえば?
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避暑地といえば鍾乳洞。高原や渓流に勝るとも劣らぬ魅力を再確認
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この記事の著者

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松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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