【メルセデス・ベンツ Gクラス試乗】爪を隠したグリズリーは高級感の塊。圧倒的なクロスカントリー性能を堪能 

スマートからバス、トラックまで、グループで見るとありとあらゆるクルマを作っているのがダイムラーグループ。乗用車、商用車ブランドはメルセデス・ベンツで、ベンツと言えば多くの人はセダンを中心とした乗用車をイメージしていることでしょう。

しかし、忘れてはいけないのがGクラスと言われるクロスカントリーモデルです。よくハイパフォーマンスなクルマに羊の皮を被った狼という表現が使われますが、Gクラスは鋭い爪を隠した大型のグリズリー(灰色熊)という印象です。

Gクラスはもともと軍用車に使われていたゲレンデヴァーゲンを民生化したモデルで、1979年に初代のW460が登場しています。先日発表されたモデルはW464のコードナンバーが与えられていて、その前のモデルであるW463は1989年のデビューなのでじつに30年ぶりのモデルチェンジとなります。

メルセデス・ベンツでは、今回のモデルについてフルモデルチェンジという表現は使っていません。モデルチェンジ、もしくは新型Gクラスという曖昧な表現にとどまっています。

実際、ヘッドライトウォッシャーノズル、アウタードアハンドル、スペアタイヤカバー以外のエクステリアパーツはすべて刷新されているというのですから、フルモデルチェンジといってもおかしくはないレベルです。ここまでパーツを変更しながらも、以前のイメージをしっかりと残すデザインワークが行われていて、パッと見た目で新旧を見分けるのは難しいレベルです。

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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